2005年12月01日(木) |
県知事に抗議の申し入れ |
今日から県議会がはじまりました。知事の所信表明演説の前に空港はいらない静岡県民の会としての抗議と申し入れを行いました。9:00から県庁前で参加者10名による抗議集会を行い9:45から知事室で出野勉知事公室長に抗議文と申入れを行いました。
現地では、朝から抵抗・抗議・監視活動が継続して行われ1日が終わったようです。くちばしでの睨み合いは突破されましたが、オオタカ営巣木とヤツシロランの区域では県の動きはなかったとのことです。茶畑、205高地もそのままですが、周辺で物件調査がすすめられていて参加者により抗議活動が続けられたとの事です。
議会では知事が所信表明演説を行いましたが、静岡空港については結構長く1ページを費やしています。当然、測量を始めた事を報告していますが、そのあとに「今回の現地調査完了後におきましても、様々な機会を捉え、話し合いによる円満解決に向けて最大限の努力を重ねて参りたいと思います」と述べています。
当然ながら大きな声で「現地で直ちに地権者と話合うべき」と発言。
今日は、本会議の後に議員研修会、選挙対策特別委員会が開催されました。定数削減は国政調査暫定値発表後に。飛び地問題の5地区のうち3地区は合意となりました。が、1票の格差問題をどうするかの課題が残されました。
そうこうしている内に、現地からの205高地周辺の静岡県から伐除申請が提出されたとの事で緊急に明日11:00から記者会見を行う事になりました。議会で動きがとれず、現地の進捗状況が気にかかります。
※※申し入れ書
石川嘉延静岡県知事 様 2005年12月1日
静岡空港第二次強制測量に対する緊急の抗議と申し入れ
空港はいらない静岡県民の会
今日からはじまる12月県議会を前に私達は、11月29日から始まった静岡空港第二次強制測量に怒りをこめて緊急の抗議を行います。地権者はじめ多くの住民が現地で県知事との直接対話を求めて監視・抗議活動を続けています。知事は県議会での所信表明の場で、この抗議と現地での対話要求について自らの見解を明らかにすることを求めます。 この第二次強制測量と強制収用が、静岡空港建設事業と同様に、多くの県民から疑問を投げかけられていることは、今夏の県知事選挙においてマスコミが行なった複数のアンケート結果でも明らかになっていることです。
第二次測量の初日において、本来地権者である大井寿生さんが下記(※1)にある申し入れを行ないました。「すべての職員・作業員の身分証票(※2)を測量前に確認できるように対応してもらいたい」という大井さんの要求に対して、谷空港部長は法的根拠もキチンと説明せずに、身分証票提示は各々の調査地点で行うとして拒否しました。 しかし、この要求は土地収用法15条で保障されている地権者の正当な権利に基づくものです。これを一方的に拒否するということは、まさに、大井さんが主張するところの「全員の身分証を提示しないと言うのは、人の家にやってきて玄関で挨拶するのが礼儀なのに、玄関で挨拶しているうちに、裏口が空いているからと勝手に家に入りこんでしまうようなものではないのか」という指摘を裏付ける行為です。
また、谷部長が約束した「各々の調査地点での身分証票提示」についても、地権者や利害関係人が収用委員会審議に備えて写真やビデオで記録を取ろうとしたことに対して、一方的に拒否する姿勢を示しています。その一方で、静岡県は第一次強制測量においても、今回の第二次強制測量においても、収用委員会審議の資料を作るという名目で、「肖像権の侵害に当たるので止めるように」という地権者らの抗議を無視して、ビデオ撮影を一方的に行なうという、極めて理不尽な対応を繰り返しています。さらに、強制測量の現場責任者が伐除許可証(※2)を持たずに立ち入ろうとしている事実も確認されています。
※1 申し入れ文書 静岡県を起業者とする静岡空港整備事業において行われる土地収用法第35条に基づく調査に対して、下記土地の所有者として土地収用法35条第3項の規定によって同調査の際に準用するとされる、土地収用法第15条第3項の規定に基づき同第1項に定められた身分の証票の提示を、下記土地に立ち入ろうとする県職員及び調査員、記録員等の委託業者のすべてに対して請求する。 これより下記土地に立ち入ろうとするすべての者は、土地所有者大井寿生に対して定められた身分証票の提示を行うこと。この請求による身分証票の提示を行わずに行われた立ち入り及び調査は、土地収用法第35条による調査の適正な執行の要件を満たさない不当なものとみなす。 2005年11月29日 土地所有者 大井寿生
※2 土地収用法第15条 第1項 第11条第3項の規定によって他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証票を携帯しなければならない。 第2項 前条の規定によって障害物を伐除しようとする者は、その身分を示す証票及び都道府県知事の許可証を携帯しなければならない。 第3項 前二項に規定する証票又は許可証は、土地又は障害物の所有者、占有者その 他の利害関係人の請求があったときは、示さなければならない。
第二次測量2日目には、マスコミ関係者が少ないことをいいことに、初日と打って変わった強権的な対応を県は取っています。オオタカの営巣木がある谷に群生するヤツシロランについては、発見した地元の自然保護団体から11月25日にいくつかの要請を受けていました。しかし、静岡県はそれらを無視して初日に県独自の判断で植物調査を一部で強行し、現地において抗議を受けたために作業を中断しました。そして、2日目に住民団体との話し合いを約束していたにもかかわらず、その一方で植物調査と35条調査という名目でヤツシロランの生息地域への立ち入りを強行しました。その結果、ヤツシロランは至る所で踏み荒らされ、取り返しのつかない事態が発生しています。 しかも、県が「専門家」と主張する判定員2名の指示の元に行われたマーキング作業では、複数の見落としがあり、そのことが住民団体のメンバーによって発見されるという事態も発生しました。自然保護団体が発見したヤツシロランを、公費を使った植物調査で確認することが出来ないという、まさしく調査の専門性を疑わせるに足る事態が引き起こされているのです。
さらに、現場において自然保護団体から「ここにはヤツシロランがあるので赤道での調査を中止して欲しい」との要請を受けていたにもかかわらず、その直後に測量班がその地帯を踏み荒らすという、全く信じられない作業指揮が現場では行なわれています。また、谷から上がってきた判定員らしき人間に身分証票の提示を求めたところ、証票の提示を行なわぬままその場を逃げ去るという、土地収用法15条違反かつ谷部長の約束を反故にする行為も行なわれています。 このような状況では、関連する法律を遵守した適正かつ適法な作業が行われるとは、到底考えられないため、下記の要望と、それに対する回答を、早急に文書にてなされるよう申し入れるものです。 1、 地権者・大井寿生さんが請求した申し入れを受け入れること。 2、 上記1を拒否する場合は、その法律的根拠を文書にて明示すること。 3、 35条調査にかかわる全ての関係者の身分証票提示の際に、写真撮影及びビデオ撮影をすること認めること。 4、 上記3を拒否する場合は、その理由を文書にて明示すること。 5、 初日に伐除の許可証を持たずに測量に関わった者への事実関係の確認と、そのことへの見解を示すこと。 6、 地権者及び利害関係人が収用委員会審議資料作成のために、調査関係者の身分証票提示の際に写真撮影及びビデオ撮影することを認めること。 7、 上記6を拒否する場合は、その理由を文書にて明示すること。 8、 ヤツシロランの調査へのアドバイスを行なった専門家の氏名と、その専門家が現地調査を行なっていた場合は、その期日、同行した県職員名を明らかにすること。 9、 ヤツシロランの判定員の名前と、その専門家としての経歴、肩書きを明らかにすること。この植物調査について委託契約をしていた場合は、その内容を明らかにすること。 10、初日(10ヶ所)と2日目にヤツシロランの存在地点をマーキングした場所を地図において明確にして自然保護団体に教えること。 11、ヤツシロランの同定の調査方法を明らかにすること。 12、このヤツシロランに関して、環境部自然保護室と協議をしなかった理由と、その後の協議内容を明らかにすること。 13、ヤツシロランに関する、今後の県としての調査方法、保護対策を明らかにすること。 14、13の内容を元に自然保護団体との話合いを行うこと。 15、そのことの合意が行われるまで植物調査および35条調査は中断すること。 16、谷から上がってきた際に、身分証票の提示を求められたにもかかわらず、提示もせずに逃げた関係者の特定と、身分証票提示を行わなかった理由を明らかにすること。 以上
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