まつや清の日記

2005年11月29日(火) 地権者・大井さんの果敢な主張

 地権者である大井寿生さんが、測量の開始前に、どうしても谷和美空港部長に会って伝えたい事があるので同行して欲しいとの要請があり、5:50分に静岡を出発し、7:00にとんがり帽子のテント村本部前の駐車場に着きました。

 今日の闘いは大井さんの申し入れからはじまりました。応対した谷部長は、請求自体の趣旨は理解するが、身分証提示は各々の調査時点で行うとして、大井さんが主張した全職員の本部前での身分証提示と対立しました。しかも谷部長がその法的根拠を「県の顧問弁護士がそう言っている」として法的根拠を具体的に示せなかったことから文書で示すべきとの議論に発展し、最初の文書、修正文書となりました。今回は、手続重視の方針で臨んだわけです。ビデオ班も同行しました。

 これは、26日の土地収用法政策研究会で、収用委員会審議に行政側の瑕疵を示すあらゆる資料を用意し、論点を明確にして臨むべきとのアドバイスがあったからでした。大井さんの「全員の身分証を提示しないと言うのは、人の家にやってきて玄関で挨拶するのが礼儀なのに、玄関で挨拶しているうちに、裏口が空いているからと勝手に裏口に入るようなものではないのか」の指摘はポイントを突きました。

 10:30まで3時間のやりとりがありましたが、結局谷部長は、大井さんの主張をうけいれず平行線状態が続きました。そうこうしているうちに、測量を開始を宣言する役割の小松幸雄空港建設事務所長がこっそりと事務所から出発しようとしている姿を発見し、小松所長とのやりとりがはじまりました。しかし、藤田泰秀副所長が既に通称・205高地と呼ばれる近辺で35条調査の宣言を行ったとのことで本部から離れました。

 同時刻に通称・くちばしと呼ばれる鋭角の2叉路近辺で石田博専門官、大井さんの茶畑入り口に岩崎富男管理対策室長らがじんどり、本部ゲート前で監視活動と計4箇所で測量隊と対峙しました。その中で、石田専門官は、伐除許可証を持たずに立ち入ろうとしてる事も明らかになりました。それぞれの場所で様々な地権者の声、住民の声が訴えられました。

 しかし、午後3時過ぎに4箇所での対峙とは別に、県の別働隊が着々と測量をはじめていました。対峙はある意味で陽動作戦でもあったようです。谷部長は記者会見で「2、3割程度を残して調査を終えた」と述べたとの事ですが、現地での感覚は、2,3割程度の測量実体ではないかと思いましたが、甘かったようです。

 特に、オオタカ営巣木とそのエリア内のクロヤツシロランの専門家調査がはじまっていて気がついた監視団が強く抗議しました。これは25日にオオタカ調査会と自然を守る会が絶滅危惧種1Bと指摘されるクロヤツシロランを発見したのでクロヤツシロランの同定まで測量を控え、29日までに保護対策を示すべきと申し入れしていたからです。この約束違反に、明日7:30本部前で保護対策を文書にて回答する事を申し入れしました。

 今日の参加者は50人ほどで心配された雨も早くにあがり、比較的暖かい1日でした。多くの方々に是非とも、現地監視団に加わっていただきたいと思います。朝は、東名集中工事で7:00前に入らないと間に合いません。5:50事務所前から出発しますので参加可能の方はご連絡下さい。ただ、防寒対策はしっかりして頂きたいと思います。

※申し入れ文書は、以下の通りです。
「静岡県を起業者とする静岡空港整備事業において行われる土地収用法第35条に基づく調査に対して、下記土地の所有者として土地収用法35条第3項の規定によって同調査の際に準用するとされる、土地収用法第15条第3項の規定に基づき同第1項に定められた身分の証票の提示を、下記土地に立ち入ろうとする県職員及び調査員、記録員等の委託業者のすべてに対して請求する。
 これより下記土地に立ち入ろうとするすべての者は、土地所有者大井寿生に対して定められた身分証票の提示を行うこと。この請求による身分証票の提示を行わずずに行われた立ち入り及び調査は、土地収用法第35条による調査の適正な執行の要件を満たさない不当なものとみなす。 2005年11月29日 土地所有者 大井寿生」





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K.matsuya

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