2005年10月11日(火) |
弁護士・中野麻美さんの話を聞く |
静岡ふれあいユニオン主催の『パート・派遣・契約社員で生きる』というテーマの弁護士・中野麻美さんの講演会に参加しました。以前よりお名前は聞いていましたが、直接の面識を得たのは今日がはじめてでした。パワーを感じさせる方です。今回の商工労働委員会での「正規・非正規」問題の質問を組み立てる上で中野さんの論文は大変参考になりました。
日本の労働者会の男性と女性の賃金格差、それは男女の性役割分担がもたらす構造的差別である、とするテーゼから全てが出発し、現状を鋭く分析します。非正規でありながら職場では正規労働者と同じだけ働く人の言葉「親が死んだ悲しみはみんな同じなのに、葬儀に正規の人達は有給で休み、私達は何故無給なのか」。こうした格差は心に大きな傷を残す、そして、この格差を再確認させられる給料支払日に職場にいきたくない、という方の声を一つの事例を紹介されました。
古い労働理論で「パートは正規職員の安全弁、自分たちの労働を守る為に非正規は非正規は必要悪、正規の職員が切られる前にパーと労働者が切られる」は、もう現実にあわない、現実は非正規労働者が増大し、正規労働者を駆逐している労働社会が始まっているとの指摘は考えさせられます。また、人間は商品より値崩れしやすい、沢山取れすぎたイワシは、値段を維持する為に倉庫に入れられたり捨てられたりする、人間にはそれは出来ない。
格差、差別をなくするということに本当に向き合う時、人間に仲間意識が生まれる、連帯こそ私達が横につながっていく基本、中野さんの口から次から次に吐き出される「弾丸」のような言葉、私自身の胸を突き破るかのようでした。ノートにとったメモを読み返していますが、現場をしっかり見つめて、その中から労働法の改正という普遍性を掴み取ろうとするその集中力に脱帽でした。
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