2005年10月10日(月) |
カン・サンジュンさんの講演を聞く |
今日は、午後から戦争に反対する市民ネットワーク主催の「静岡県国民保護計画についての勉強会」に講師で参加しました。20人くらいの方が参加していました。9月22日から10月21日までのパブリックコメント募集が始まっている中での勉強会だけに皆さん、熱心でした。
この会合の後にカン・サンジュンさんが講師の静岡県近代史研究会の総会記念講演会に参加しました。会場あふれんばかりの参加者でした。何回か話を聞く機会が過去にもありましたが、今日は今までの印象と違って、ある意味でアジテーターという感じの話振りでした。
ご自身が2年前に提唱した「6ヶ国協議」、今回の合意が出なかったら、学者とは言え自分の見通しに誤りがあったことになり、熊本に戻るつもりであったという、「6ヶ国協議」にかける並々ならぬ決意があったからだと推察しました。1時間20分の時間があっという間に過ぎました。
歴史の話なのですが、現在の朝鮮半島の分断、拉致問題含めた日本の北朝鮮パッシング、小泉首相大旋風と言う現在の状況にどのように立ち向かうかという強い緊張感を持っての話なので、歴史がまさに生きてくるのです。乙巳条約から100年と竹島、東北アジア戦争としての朝鮮戦争とアメリカの戦略としての分断政策、韓国発生と日本の55年体制=李承晩と吉田茂、韓国・日本に重なる満州国人脈と言う具合に、なるほど、とまさに歴史を学んでいる感じです。
拉致問題は、言語道断であることは明白、しかし、拉致問題の解決は、北朝鮮崩壊によっては実現しない、金正日に解決できるか、日本が関わった韓国の金大中氏拉致事件は解決しているか、ブッシュは、アメリカのKCIAの拉致問題は解決しているか、イギリスは、ロシアは。拉致問題解決は、そんなに簡単なことではない。解決の為に日朝国交回復は大きな条件となる、人々が往来しその中で拉致問題がも解決する、その為には核問題を解決する6ヶ国協議という多国間協議の場が必要だ。
今回の合意によって、韓国と北朝鮮の統一の道は切り開かれた、米朝正常化もうたわれている、60年間続いた東北アジアの国際的秩序が大きく変わる、55年体制を維持してきた日本の支配層は危機感を持つことになる、100年間ではじめて強いアジアが目の前に登場してくるから。これからは非核の朝鮮半島と日本の連携が重要だ。そこにモンゴルが入る、米中に核先制戦略を放棄させ軍縮に向かわせる、6ヶ国協議は多国間安保として継続していく、新しい東北アジアの未来を作り出していくべきだ。
これからは、地域それは狭い意味のローカルでなくリージョナると言う意味だが、東北アジアはリージョナルな関係になっていく。しかし、今、韓国でも、中国でも、日本でもナショナリズムが勃興している。ナショナリズムが求められるのは、捨てられる国民がいるから国としての求心力が必要だからだ。ナショナリズムの道でなく、アメリカに組する道でなく、アジアの一員として、中・韓・日の連携を作り上げるべきではないか。東北アジア共同の家、家長のいない家として。
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