2005年09月19日(月) |
あらためて石川知事の9月12日定例記者会見の空港部分を読む |
ホームページの知事室の所でようやく定例記者会見の全文がアップされました。あらためて読みなおしてみると知事の本音がすけて見えてきます。
1、「法律に基づいた強行的手段を用いてまでも実行する覚悟を持ち」、「最悪の事態を避けることが出来て」「ほっとしている」とのことです。
2、「制限表面区域の調査」に「反対運動の方々も」「作戦を色々立てて」「暴挙を企てていないとも限りませんので、手の内を明かすわけにはまいりません」と述べています。
3、しかし、「事業認定申請をした時に、1年以内に終わりきれないかもしれないということで、留保をつけて認められておりますから、今後は色々な状況を見ながら調査の時期を決めてまいります」。ちょっとわかりにくいことを言っています。
4、そして、例の牧野さん、海野さんの落選について触れています。
つまり、力で押しきる覚悟があったから、35条調査が貫徹できた、不測の事態も裂けることが出来た、といっているのです。しかし、知事は二つの点で間違った認識をしています。
一つは、35条調査は法律で認められているが、調査が無理な場合に37条で外観調査など代替手段を認めています。つまり、35条調査は、地権者の抵抗権を前提としていることです。この37条が土地収用法に加味された歴史的経緯を知事は恐らく理解していないと思います。
「抵抗」を「妨害」と呼び、あたかも地権者や共有地権者の側が法律違反をしているかのよう強調していますが、私的権利の制限がいかに大きな権力行使であるかについての認識が欠如しています。
二つめは、強行的手段が何をさしているのか、警察権力の介入であるのか、職員の実力調査であるのか、曖昧のまま語っていて、実際に6日間に現場で起きたことを正確に把握していないということです。今回は、職員の実力行使がまずなされる中で怪我人など最悪の事態が生まれかかったこと、その不測の事態を避けようという地権者や共有地権者が非暴力抵抗活動を徹底し、時に、衝突を避けるべしと、県側に撤収を呼びかけて、撤収しているという事実です。
不測の事態は、知事及びその命を受けた空港部長、管理室長の強行作戦によって生み出されようとしていたということです。制限表面区域での測量で彼らがそのことをきちんと教訓として学ばないと正に不測の事態が生じかねないと言うことです。
いずれにしても土地収用はまちがっています。土地収用にこだわれば、彼らの側から不測の事態をつくりだすことによってしか測量ができないと言うことになります。これをさけるために、今回の教訓として、土地収用の放棄、地権者との話合い、住民投票による決着の選択を真剣に考えるべきです。
※※ 知事会見での発言 【幹事社】 2点目は空港の関係ですが、35条調査が行われまして、調査終了を受けた見解と今後の見通しを教えてください。
【知事】 第2点の土地収用法に基づく35条調査の関係ですが、今回は飛行場予定地内の調査でありました。予定していた対象地をさしたる怪我人もなく、平穏のうちに調査を完了することができてほっといたしました。 元々我々は法律の手続きを踏み、正当な権限の元に行っているわけであります。それを力でもって妨害するというのは、本来法治国家にあるまじき行為であります。そういう観点で、いざという時にはきちんとした秩序を守るという観点で、法律に基づいた強行的な手段を用いてまでも実行する覚悟を持ち、調査に臨みましたけれど、結果として最悪の事態を避けることができて大変良かったと思います。 あと空港の西側でもう1箇所調査をしなければなりません。この調査も今回と同様に法の手続きにしたがった適切な行政行為でありますので、法治国家として相応しい状況のもとで調査が完了できることを期待しております。
【記者】 35条調査の件ですが、前の境界確定調査のことを前回この場でお聞きした時に、参考になった、今後の35条調査に活かすとお話になられましたが、今回1週間の調査を行い、どのようなところが過去の調査が活かされたところなのか、また今後12月の調査もあり、その後の手続きもありますし、どのようなかたちで反対派地権者と向き合っていかれるとお考えですか。
【知事】 これは全て終わってからコメントした方が良いと思います。まだ調査が残っておりますので。
【記者】 12月ということではなくてですか。 【知事】 あと敷地の西側の制限表面区域の調査も残っております。 反対運動の方々もある意味の作戦を色々たてて、こちらの法に基づく正当な行為を妨害しようとする暴挙を企てていないとも限りませんので、手の内を明かすわけにはまいりません。
【記者】 今後のスケジュールである程度見通しのついているところがあれば教えてください。
【知事】 具体的に何月というところの記憶は今ありませんが、基本的には事業認定をもらってから1年以内、西側の制限表面地域については、事業認定申請をした時に、1年以内に終わりきれないかもしれないということで、留保をつけて認められておりますから、今後は色々な状況を見ながら調査の時期を決めてまいります。 一方で平成21年春開港を我々は厳守する考えでありますから、それとの兼ね合いでいつまでも先に延ばせません。理想的には1年以内にやりとげるということですが、実務的な詰めも色々ありますので、これからその辺りの見通しをきちんと立てた上で、いつやるかは皆様方にあらかじめ公表した上で臨みたいと思います。
【記者】 ストレートに聞きまして、静岡1区で牧野さんが落選して、この間は参院選で海野さんが落選して、いわゆる静岡県の政界で知事に反旗を翻した国会議員の方々がいなくなった。この結果について、知事にとっては、率直に言えばやりやすくなったと思うのですが、いかがでしょうか。
【知事】 今まで静岡空港の問題を中心に、今お挙げになられた方々の活動で、正直言って足を引っ張られました。余分な手間隙もかかったし、時間もかかったし、苦労をしました。時代の経過の中で、私が主張してきたことに、世論や時代が軍配をあげてくれているのではないかと思います。私は個人であれこれ戦っているわけではない。静岡県というものをどういった方向へもっていくのが良いかという観点から色々と考えて、県民の皆様に訴えてやってきている。今までも多数であったと思いますが、その方向が世論全体で見ても、より賛同してくれる人が増える方向にいっているという風を私は感じます。
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