| 2005年08月27日(土) |
『小泉流”非常”政治 何故支持率が高いのか』対談を読む |
週刊「金曜日」8月26日号で朝日新聞編集委員の早野透氏と首都大学准教授の宮台真司氏が、2005年総選挙をどう読む、で対談をしています。今回の解散を宮台氏は「旧経世会とどめ差し解散」、早野氏は、「小泉の小泉のための小泉による解散」。
宮台氏は、「正義感(バラマキ政治への終止符)、金融利権、経世会憎悪、ポピュリズム、米国一辺倒など、小泉氏の中で一貫してきた要素」が今回の解散をもたらしたと分析。小泉支持層は旧保守でなく、新保守つまり都市型保守で、象徴的なのが「新しい教科書を作る会」や「2ちゃん右翼」。流動性の増大と不安な人々が、「断固」とか、「決然」と言った言葉に反応する。今回の解散を「気持ちいい」と語る若者が大勢いる。
日本の旧保守は、集権的再配分を目指すので左派的。小泉氏は、財政赤字を生む集権的再配分をやめるべきとと主張、これは正しい。しかし、弱者を放置していいのか。都市型保守と違う、都市型リベラルの対抗軸に二大政党制の可能性がある。具体的には「フリーターがフリーターのままで幸せになれる社会」。
小泉流「集権的再配分は続かないから壊す」は分かりやすすい。これへの民主党の対抗軸は、問題を出来るだけ小さな単位で解決する地方自治だ。解決できない時上位の社会単位を呼び出す欧州型「自治と補完の原則」、最上位の国家解決が難しい時は、国家連合に主権移譲する、この計画を出すべき。
この宮台氏に早野氏がフリーターやシングルマザーなど社会的弱者に目配りの聞く社会民主主義的観点からの社民党や共産党への期待感を示すという構図です。対談は、結構現状をうまく言い当てていて、何故小泉流が受けるのか、よく分かります。小泉流「壊し」のあとの構想をどう描けるのか。
脱成長的観点からのワークシェア型社会の構想力=緑の政治派の登場ということになりますが、これは民主=緑連合なのか、まずは社民党+緑による緑の政治勢力形成なのか、そこに共産党を組み合わせるのか、いくつかの全国都道府県での現状の分析が必要になります。
|