まつや清の日記

2005年05月17日(火) ソウル市の清渓川再開発現場を見る

 すごいの一言でした。
 ソウル市の真ん中を流れていた清渓川、コンクリートで蓋がされ、上を高速道路が走っていた巨大な都市の社会インフラ施設。「現代」出身のソウル市長が、公約で06年の任期中に高速道路を壊して、6キロメートルにわたっての川を復権し、21の橋を架けると。

 今年の9月までに完成させるとのことで、実際に現場を見学しましたが、工事はかなり進行しています。そして一部では、親水公園のような感じで川が復権されていました。よくも高速道路を壊せたものであると感心しました。

 ところが、環境団体・環境運動連合のキム・ナクチュンさんに言わせれば、自らの政治的野心のために本来復権されるべきソウル市を流れる川全体の構想しての開発でない、どころか、水収支を考えていないので、漢川から9万トン、下水処理水3万トンをポンプアップし、流すという実態、あまりに問題の多い再開発事業であると手厳しい批判です。

 ソウル市議会議員の民主労働党のシム・チェオックさんは、工事費も360億円が420億円に膨れ上がっている、古い建物や周辺の小さな商店街を破壊している、102人の議員のうち87人がハンナラ党で議会としてのチェック機能を果たしていない、マスコミ三大誌は市長を絶賛し、ハンギョレ新聞が特集を組んで批判をしているともこと。

 確かに周辺の商店街は、大きな鉄板で囲まれていて外に見せないような体制になっていました。百聞は一見にしかず。日本のマスコミも好意的に紹介していますが、現場はかなり違いました。ただ、私たちのような地方都市で見ている都市の改造計画と首都、東京、ロンドン、ニューヨークなどのとし計画に重なることがあり、問題意識のずれを感じました。巨大都市の水問題は、都市排水、治水、景観など多くの問題点があり、そうした意味で全世界の中でこの問題を位置づけてほしいという感想を伝えました。

※※ 今日も国土交通省中部地方整備局、土地収容付議せず。


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K.matsuya

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