まつや清の日記

2005年05月12日(木) 旧海軍(ラバウル)軍属・金飛虎さんからの連絡

 韓国・全羅北道ー扶安郡に住む金飛虎(キム・ピホ)さんから友人宛てに手紙が届きました。自分たちが過去・強制徴用で海軍に所属している間に働いた給与の一部=軍事郵便貯金が東京法務局に供託されているることがわかった、請求したら支払ってもらえるのか、どうか、調査して欲しい、とのことです。

 いわゆる軍事郵便貯金問題については、1993年8月に、アジアを考える静岡フォーラム呼びかけで調査団が派遣をされました。先立つ3月に全羅北道全州市に、静岡大学に留学していた黄仁尚(ファン・インサム)さんを通じて、当時の全教祖出身の柳永振(ユ・ヨンジン)議員が紹介され、相互交流がはじまっていました。3月はそうした経過で吉本健一静岡大学教授を代表とするスタディツアー(私も参加)が行われ、その際に現地でスタディツアーのラジオニュースを聞いた金飛虎さんが軍事郵便貯金の調査依頼をしていました。

 日本に戻った市民団体は、厚生省との交渉を行い、「当時の郵便記録を調査したが確認できなかった」との回答を受けて8月にならばと、ラバウルに徴用された44人の聞き取り調査を敢行したのです。その記録は『金飛虎さんらは訴える―日本政府は未払い軍事郵便貯金を支払え―ラバウル強制連行と軍事郵便貯金』に詳しく報告されています。

 金さんは当時70歳、既に83歳は越えています。日本にも招待しました。こうしたことがきっかけで柳議員も静岡県を訪ずれ、県内の徴用による強制労働現場にも足を運びました。以後、持続的な交流が続いています。こうした中での金飛虎さんからの手紙です。東京法務局に供託されているという厚生労働省の『在隊等の記録について』は05年4月19日づけになっています。

 日韓協定文書の公開をきっかけにして、回答したのではないかと推測しています。いずれにしても、93年段階では確認出来なかったものが、今日こうして本人に通知される事事態、隔世の感があります。金田誠一議員を通じて厚生労働省、東京法務局に確認しましたが、今日「日韓協定によって財産請求権は消滅している」とする回答がなされました。

 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、こうした問題の調査に入っており、再びこの問題は歴史問題の清算として大きな課題になろうとしています。金さんにまずは調査結果を報告する事から始まります。

※※ アジアを考える静岡フォーラム総会 5月15日 13:30 地球ハウス 特別報告 ブラジルの医療現場を歩く 14:30

※※ 静岡空港・社会資本整備審議会 今日も付議されず


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K.matsuya

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