2004年06月14日(月) |
ほんものを求める23歳の若者 |
今日、脳性マヒの障害を持ち尚且つ失明状態のSさんのお宅を訪問しました。 介護保険で06年3月31日以降は、介護サービスで移動サービスにおいて2種運送許可が必要との厚労省の決定。
支援費制度で移動サービスをやっている事業者にもその枠組が求められるのか。そうだとすれば、障害者の日常活動に大きな制約が発生すると、その問題への取組みを要請されました。 それはそれとして、訪問しましたら懐かしい彼の息子さんが部屋にいました。そして、皮製品の仕上げをしている所。いつ戻ったのか、これからどうするのか、立て続きの質問でした。
彼の父親・母親とも重度の障害を持ち、その境遇でその息子さんがどんな育ちかたをするのか、かかわりを持ってきた人間としては大いに関心を持たざるを得ませんでした。
その息子さんが、アフガニシタン、パキスタンを1年近く訪問し、その中で動物の皮細工の技術を学び、その技術で生きてみたいと誇らしげに語るのです。
彼曰く「ほんものに近づくには、野生の鹿を銃でも、罠でも、弓でも、とにかく自分の力で捕まえ、その肉を食べ、その鹿の皮でカバンなど製品を作りたい、そうしたら、ほんものに近づけるかもしれない」。
23歳の彼。私の娘と同じ世代。たくましく成長した息子さん。 障害を持つ父親は、とにかく早く立ち去れ、そうでないと、同居で介護ができる人間がいると支援費サービスが受ける事ができなくなる。
本当に行政がそんな事を言うのか、という思いを持ちながら、とにかく、息子さんが帰ってきたんだからしばらくは大事にしてあげてよ、と一言。 どっちにしても、しばらくしたら長野県にいきたいとのこと。
23歳の息子さんのたくましさに、若者に失望する事はない、こうした若者がいる、妙に元気が湧いた訪問でした。
※ 写真は6月1日ドイツでの再生可能なエネルギー国際会議で私たちを出迎えてくれたドイツ最大の環境団体「ブント」のメンバーたち。
|