まつや清の日記

2004年02月07日(土) インフルエンザワクチンに関する決議

 大阪での政策研究会で以下のインフルエンザワクチンに関しての決議をあげていただきました。
 厚生労働省とスケジュール調整をして直接届けたいと思います。
 静岡県に対しても申し入れしたいと思います。
 インフルエンザワクチンに関してご意見ある方は是非ご連絡ください。


   インフルエンザ予防接種についての決議文

 厚生労働省や推進派の学者、マスコミが繰り返しワクチンキャンペーンを展開してきた結果、2001年10月予防接種法が改正され、高齢者へのインフルエンザ予防接種が行われることになった。また、新興感染症への不安があおられる中で、SARSや鳥インフルエンザ罹患への不安がワクチンや抗インフルエンザ薬への過剰な需要が起こされている。
 現在、高齢者のみならず、インフルエンザワクチンを多くの子どもや成人が接種するようになっている。今年はSARSがらみで、ワクチンの増産がなされ、1470万本ものワクチンが製造されたにもかかわらず、不足しているとのマスコミの報道にあおられ予防接種法上の対象者以外の多くの人が接種を受けるという事態になっているが、実際は在庫がかなりあることが確認されている。
 一方、擬陽性の出やすいことが問題とされるインフルエンザ検査キットや副作用や乳児への投与の中止が取りざたされる抗インフルエンザ薬リン酸オセルタミビル(タミフル)が、新しいインフルエンザ対策として脚光を浴びている。
 去る1月29日には、厚生労働省医政局経済課と同健康局結核感染症課連名で、各都道府県政令市特別区の衛生主管部(長)あてに、「高病原性鳥インフルエンザ対策における留意点について(通知第2報)が出され、ますます予防接種の推進と抗インフルエンザ薬の需要が喚起されている。インフルエンザやSARSに関する感染症対策について以下のように呼びかけることを決議する。

 記
一.インフルエンザ予防接種には限界があることを確認し、改正時に大臣答弁にあったように、高齢者への効果の研究、副作用の調査を改めて行うこと。(注1)
二.高齢者以外の接種については、その効果の限界と副作用を情報公開し、無節操な接種の強制や過大な効果の広告を厳に慎むよう関係医療機関を指導すること。(注2)
三、特に乳幼児へのワクチン接種は、有効性や副作用について、調査中であるにもかかわらず、あちらこちらで勧められ、多くの乳幼児への接種が進んでいる。(注3)厚労省自身、予防接種法で決めている高齢者以外、特に乳幼児については、「エビデンスとして確立していないのでお勧めできるものではない。」としているものについては、特に接種は慎重に考えるべきことを広報すること。
四、これらの副作用についての救済窓口の広報が全くされておらず極めて問題である。実際副作用にあっても、副作用報告の手順などの説明は一切なく、何の救済も受けられずにいる。.任意で接種をして副作用が発生した場合の救済体制、情報収集体制を整えること。
五、子供への接種が増えている最大の原因はインフルエンザ脳炎・脳症への不安からである。厚生労働省は、危険な解熱剤の禁止の徹底と、症例対照研究の充実をはかるべきである。(注4)
六、各都道府県政令市特別区あてに、抗インフルエンザ薬の備蓄や鳥の殺処理に従事した人へのインフルエンザ予防接種が勧められているが、抗インフルエンザ薬の副作用の情報公開と費用対効果を明らかにすること。(注5)
七、現在問題になっているSARSの感染は院内や研究所での感染であり、一律に感染の危険を煽ることのないよう対処すること。
八、以上の点をふまえて、現在高齢者に行われているインフルエンザ予防接種についての無駄な国庫負担と自治体の補助金負担を根本から見直すこと。                                       以上
(注1)2001年予防接種法改正の審議の中で、厚生労働大臣は「これから先も、もう少し、やはり出す以上は胸を張って言えるようなデータも必要でございますので、多くの専門家の先生方に御審議をいただいて、次の見直しのところにはもう少しきちっとしたものを用意したいと思っております。」と答弁している。
(注2)インフルエンザワクチンの副作用報告数(全国民)は、2001年度158件、2002年度148件ということであるが、これらの年齢、症状、予後については明らかにされていない。特に、インフルエンザワクチン接種後、筋力が低下し手足などが動きにくくなるギラン・バレー症候群を発症し「ワクチン接種との因果関係が否定できない」として、厚生労働省はワクチンの添付文書の「重大な副作用」欄に同症候群を加え、接種後に腕や脚の弛緩性まひなどの症状が出たら適切な処置が必要との記載を盛り込むよう各メーカーに指示している。米国では、ワクチン接種で発症率がわずかながら高まるとの報告が出ているが厚生労働省は報告例について、正確な年齢、予後について明らかにしていない。
 2002年11月に接種を受けた1歳女児が4日後に急性脳症で死亡し、副作用が疑われる事例として厚労省に報告されていた。2002年度に報告されたのは、発熱など軽いケースも含めて149例。このうち死亡は5人で、4人は70代以上であった。これらはワクチンメ−カ−からの報告が大部分であり、実体ははるかに多いと予想される。
 市民団体にも高齢者の介護者などが接種を勧められ接種したところ、重とくな副作用にあった例などについて、厚生労働省に質問状などが出されている。全体の接種数は血液対策課でないとわからないが、副作用は少ないと言われている中で、任意接種の副作用の調査基準はない。定期接種の分の流通量や接種の実態、副作用についても情報公開されていない。 
(注3)厚生科学研究の一つとして、平成12年度の「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者神谷斉、現在は加地正郎)」がある。全国7地域、乳幼児約3000名に対するワクチンの比較研究である。結果は、ワクチンをすると、インフルエンザ罹患が有意に防げたというもの。疫学分析は大阪市大の廣田氏が担当しており、なんとか有効性を捻出すべく、様々な操作を行っている。インフルエンザの罹患を39度以上と恣意的に設定していたり(国際的にはこんな基準はない)、ワクチン接種群では年齢が有意に高かったり(高熱になりにくい)、元々扁桃炎が少なかったり(同じく高熱になりにくい)など、厳密な比較研究ができるものではない。そのような条件のもとでやっと「有効」を捻出した研究であるが、7地域のうち、有効とされたのはわずか2地域だけであった。全体で有効といっても、ワクチン未接種群の罹患23%が接種群では18%になっただけである。有効率ですらわずか25%、薬の評価によく使うNNTでは17,8であった。つまり、18人に接種してやっとひとりの罹患が防げるといった程度のワクチンであるという結果。一般的に、NNTが10を越える様な薬は、薬としての効果が問題。ワクチンでは問題外の数字である。何千万円もかけた研究であるが、あらためてインフルエンザワクチンの無効を証明した研究といえる。
(注4)日本で小児のワクチン接種が増えているのはインフルエンザから脳炎・脳症を併発するという恐れからである。しかし、脳炎・脳症の原因は、一部の解熱剤 NSAIDsであることは、全国の小児科医が指摘し、2000年には小児科学会も認めている。2002年3月に報告された、平成13年度厚生科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業報告書/主任研究者森島恒雄による)「インフルエンザの臨床経過中に発生する脳炎・脳症の疫学及び病態に関する研究」でも明確に認められている。1999年の小児科学会理事会の声明後は、小児科でのこれら解熱剤の使用は減っているが、一般的には、いまだに「脳炎・脳症にワクチン接種が有効」と宣伝され、特に内科ではまだ、説明もなく多用されている。厚生労働省として、今一度、解熱剤の危険性の指導や子どもの観察を密にすること、救急体制の整備、ワクチン接種と脳炎・脳症が無関係であることを広く国民、医療関係者に広報する必要がある。
(注5) 抗インフルエンザ薬として、リレンザやタミフルといった薬が広範囲に使われるようになったが、特に小児への安全性が確立された薬ではなく、下痢や嘔吐、喘息の悪化などが指摘されていた。最近国内で独占販売している中外製薬は、「タミフル」の「薬の成分が脳に入り込む危険がある」として、1歳未満の乳児に投与しないよう医療機関に求める方針を決めた。タミフルは経口摂取型で、カプセルと小児用のドライシロップが販売されている。現在の添付文書には「1歳未満の患者への安全性は確立されていない」と記されているが、中外製薬は念のため、投与中止を呼びかけることにした。必要性も問題で発熱期間を25%程度短くする薬で、NNTは3から5です。「特効薬」ではなく、野放しの使用は危険。成人の重篤な肝機能障害も報告され、添付文書も改訂されている。
 


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K.matsuya

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