2004年01月01日(木) |
新聞社の年頭社説を読む |
新年おめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。
今日は、朝から、恒例の若葉町の新年の会に参加しました。 そして、そのあと、毎年、近隣の山歩きをしていますが、近くの「池ヶ谷天神山」へいきました。 それでも、旧静岡市・旧清水市が見渡せ、三保海岸や大谷の海岸、伊豆半島も見えて、なかなかの景色でした。
戻って、7つの新聞社の年頭社説に目を通しました。見出しは、
朝日新聞 「軍隊」を欲する愚を思う―節目の年明けに 毎日新聞 アメリカリスク対応が鍵だ―心配はイラクより政治の信頼感 読売新聞 国民の安心が日本再生の基盤―重い決断を要する国家百年の計 日本経済新聞 にっぽん再起動―磁力のある地球国家をめざし出直そう 産経新聞 日本の運命を決める一年―文明社会の重責を果たしたい 中日新聞 混迷の中に教訓が―年のはじめに考える 静岡新聞 試される時代に―何かを越えなければならない
マスコミ各誌の年頭社説は、当然のことながら、それぞれの社の報道姿勢が明確になります。どこの社も、イラクへの自衛隊の本格派兵が、戦後日本政治の大転換であるという点で共通しています。しかし、その是非になるとかなりのニュアンスの違いが浮かび上がります。
朝日新聞 「ここは、過去の苦い体験に基づく「専守防衛」の精神に自負を持ち、「普通の軍隊でない」ことに誇りをもつのがいい。PKOには積極的に加わるが、国際協調の整わない海外派兵は断る。もとより外国での戦闘に一切加わらない」
毎日新聞 「自衛隊派遣の選択は基本的に同意する。対米追従以外に戦略をもたない現状では、行かない選択がもたらすリスクが大きすぎる。しかし、それは主体的な選択ではない。」
読売新聞 「首相は、改めて、自衛隊派が確固とした国家意思に基づいているというメッセージを明確に内外に発信しなくてはならない。」「もう一つ重要なのは、集団的自衛権「行使」容認に踏み切ることだ。」
日本経済新聞 「イラクへの自衛隊派遣は、平和維持から「平和創造」に踏み込む決断だ。この重い決断を、世界の分裂を防ぐ多角的外交を連動させてこそ意義がある。」
産経新聞 「自衛隊が本格的にイラクに派遣されれば、むろんこれまで経験しなかったような危険に遭遇し、犠牲者を出すこともありうる。問題はその時に、日本人がどう対応するかの1点に鋭くかかっている。」
中日新聞 「ゲリラやテロがやまない中での派遣は、外国での武力行使を禁じた憲法違反の恐れ大。また、犠牲者を出すことのようになれば、日米関係も揺らぎます。ことは、自国民、他国民の生命にかかわります。慎重の上にも慎重さが必要です。」
静岡新聞 「命をかけるには確かに状況が悪すぎる。だが、困っている国の為に尽くすことは当然の人道だ。隊員たちの命は重い。安全に、そして大きな成果を挙げて帰国することを祈るばかりだ。危険と判断したときは活動の中止、部隊の撤収をためらってはならない。」
昨年の12月26日の航空自衛隊の先遣隊派遣、2月の本格的自衛隊派遣までまだ時間があります。にもかかわらず、明確な反対論を掲げているのが朝日新聞社だけという今日のマスコミ状況に、危惧の念を持つのは私だけでないと思います。
特に、毎日新聞のやむえない賛成論には、これまでの毎日新聞論調からすると大きな転換という印象です。ただ、日曜日のテレビ番組「サンデーモーニング」での編集委員・岸井成格氏のこれまでの発言からするとこの流れは、ずーっとあったのかもしれません。
さて、私たちは、市民の側で、政治の側で、今ある現実を変革しようとする立場ですから、マスコミの状況を嘆いているばかりではいけません。私たち自身が、この状況をどう作り変えることができるのか、このことを真剣に考えなければ、と思っているところです。一年の計は元旦にあり、この1年間の活動展開をどのようにしていくのか、思案をめぐらせています。
今、言えることは、7月参議院選挙に向けて、第三極の政治パワーをどうつくりあげるかにかかっている、ということです。少なくも、その第三極は、ドイツ、フランス、ロシアなど、アメリカの単独行動主義と明確に一線を画している国の中の緑・平和政治勢力とアメリカの国内の緑・平和政治勢力の国際連携の構築が前提となります。とはいっても、余りに、大きな課題、そして、元旦は余りに短い1日です。
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