昨日、帰宅しても、相変わらず紙を切っていない妻。
忙しい、というがその割には日に日にテレビに詳しくなっていて、いやな感じに理論武装している。
「液晶テレビの視聴距離から考えて、こたつの位置ですでに50インチ越えなんだよね」 「みんなにちょっと聞いてみたら、46とか47とか小さいみたいなんだよね」
お前、ネットに張り付いて検索してるだろ。 みんなって、知り合いじゃなくて掲示板だろ。
「違うよ、ちゃんと友達に聞いたよ。ちょっとつぶやいて聞いたらみんなが答えてくれたんだよ」
やっぱりネットか。 それで仕事をしてなければ、そのパソコンを取り上げてしまいたいところだ。ちっ。
まあ、でも、広く人々の意見を求めることは大切だ。 50インチじゃ大きすぎるという意見はただの一人もいなかったんですね?
「え、まあ、それは」 「好みとかあるし」 「半々くらいかな?」
半々…。 それでみんなって。 そもそも分母もそんなに大きくないだろう。 ゲームをねだる小学生か、お前は。
「でも、私と似てる人はみんな大きいほうがいいって言ってるもん」
あなたと似た人って、それは…。
「あ、今そういう人はゲーマーじゃないのか、とか」 「ネットばっかりしてる人じゃないのか、とか」 「テレビっ子じゃないのか、とか」 「失礼なことを考えたねっ」
ってそういうことを言うあなたのほうが失礼なのでは。 しかも、失礼というが、今挙げた特徴はすべてあなたにあてはまっている。 自己分析だけはちゃんとできてるみたいですね。 ただ、肝心の反省と改善がないだけで…。
「きいっ。とにかく今日は都心で価格調査をしてくるっ」 「ネットの通販のほうがすごーく安いけど、そういうとこで買うのはいやなんでしょ」 「だから、この足を使ってちゃんと調査してくるからっ」
はあ。なんでそんなに恩着せがましい。 今日、寒いですよ。 紙も切れないくせに、ほんとに外に出るのかねぇ。
とにかく、僕はそんなでかいテレビを買って、テレビに支配されるような生活を送るのはごめんです。この点は譲れませんからね。
そもそもあなた、大きいのが欲しい大きいのが欲しいと言うばかりで、なぜ大きくなければならないのかは、あまり語りませんね。ネットの受け売りばかりで。
はっ。まさかいつもの、相手が誰かもわからないくせに、 「なんだか負けたくない」 ってあれじゃないでしょうね。
「違う」
「今回は相手はわかってる」
「あんたと戦ってる」
「しかも、公開バトルだから負けられない」
こ、公開?
|