今日妻はエステに行っている…。 またかよ。
「でも、今回のはタダだから」 「化粧品のおまけだから」
ほ、ほお。 いくら世間知らずの僕だって、 エステがついてくるほどの化粧品の額がそうお安いものでないことはわかりますよ。 それはタダではなくて、先に払ってるんですよ。
などと言えるはずもなく。 まあ、機嫌よく出かけていったので、よしとするか。
しかし、ことはこれだけではすまない。
「せっかくメイクもしてもらうんだからさあ」 「美しい妻を見たいでしょ」 「ランチにつきあってあげるから」
は? 付き合ってやるのはこっちだろ。
などと言えるはずもなく。
せっかくの休みなのに、電車に乗って行ってきましたよ。
めずらしく待ち合わせより早く店についていた妻。
「ねね、どう?」 「ちょっとけばくない?」
いや、えーと。 げ、元気そうで何より。
「なによ、その感想」 「ま、いっか」
おおー、機嫌がいいじゃないか。 おや?その紙袋は?
「お金がかかっても美しい妻がいいでしょ?」 「またスタンプたまっちゃったー」 「来月も行こうかな」
なんてことだ。 1回でそんなに化粧品を買ったのか。 恐ろしい。
ワインでも飲まないとやってられない。 ごくごく。 ふっ。
で、ランチ後妻は僕の母のネックレスを取りに行くという大義名分をかかげて、 堂々と大学時代の友人の下へ去っていった。
僕は急いでかえって、ムスメ達を新体操につれていった。
帰ってこないんですけど。妻。 なんでネックレス受け取って帰ってくるだけなのに、 僕と3時間以上も時間差があるんだ。
やっと帰ってきたと思ったら、 「ほら。クリスマスプレゼント」 「選ぶのたいへんだろうから、買ってきたあげたよ」 と、耳になにか光るものをぶら下げていた。
いつもその手が通用すると思ったら大間違いですよ。
「いいもーん。じゃあ、家計費さんに買ってもらうもーん」
くぅぅぅ。
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