I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2008年12月23日(火) ■ |
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日本語で唄うハシゴ |
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『渡辺えりのMy Room』@スパイラルホール
何故初日に行けなかったかは訊かないでください…(泣)と言う訳で初見が楽日です。セットリストを見る限り。他の日にはやっていたらしい明星さんの椎名林檎のカヴァー「本能」(!)やアンコール用?の「Happy Christmas」は聴けませんでしたよーガクリ。まあ楽日ならではの他の曲が聴けたのは嬉しかったですが。
メンバーはVo:渡辺えり/G、Vn、Ele:横川理彦/Pf、Key:近藤達郎/Drs、Perc:アーマッド・コンパオレ/Cho:明星真由実。Drs前にはアクリル板でつい立てがしてあって、スパイラルくらいの空間でも快適に聴けるようになっていました。結構音良かった。
初日行ったサさんから話を聞いて、オープニングは心の準備をしていたのにも関わらず「ひいっ!」とか言う。ジュリーの「ストリッパー」にピンクレディーの「UFO」ですよ。渡辺ミーちゃんに明星ケイちゃんですよ。歓声と悲鳴が同時に飛び、場内どよめきまくり。いやこのツカミは凄いわ…一気に持ってかれたわ……『恋心』でもそうだったけど、さりげなく細部を詰めて観客の集中力を惹き付けるスズカツさんのは手腕は凄い。力のある演者と組むとその効果が掛け算式に拡大しますし。
とまあそんなことは後で考えたことで、その場ではもうステージに釘付けですよ。面白過ぎた…。
1部邦楽のカヴァー、2部洋楽のカヴァーで、洋楽は日本語詩に置き換えたもの。邦訳って、如何に巧く王様化(=詩の内容をちゃんと伝える)しつつ、メロディーから逸脱しない言葉を載せる(=意訳)かがポイントだと思うのですが、そうなるとどうしても消去法になりがちなんですよね。短いフレーズでどれだけ原詩の世界観を表現するか。思えばこの“カット作業”って、スズカツさんの得意とするところではなかったか。今回はスズカツさん訳と渡辺さん訳、共訳とありましたが、どれも王様寄りでありつつ、ああこの歌ってこういうこと唄ってたんだなあと言うのが伝わって面白かったです。エリック・カルメンの「All By Myself」とかね。
ところで1部で尾崎豊の「太陽の破片」をやったんだが、自分尾崎の歌詞には共感出来んと言ってた割にそらで歌詞を憶えていて愕然とした。あの曲ちゃんと聴いたのってそれこそ20年振りとかなのに…ひいー。渡辺さんがMCで「歳をとると歌詞の意味を掘り下げちゃっていちいち考え込んじゃうからなかなか憶えられない、若い時は深く考えずにするっと憶えられたのに」と言ってたんですが、それか?それなのか!?結構ショックだった…(笑)つうか尾崎さんの詩は直截な表現が多かったんだよね、だから頭にズバッと入りやすかったんだよ…(なにこれ自分に言い訳をしているのか)下手すると「卒業」もフルで唄えるかも知れん、自分。
それにしても明星さんの歌はよかったなー!流石テポドン明星、ドームで唄った女。明星さんのソロコンサートもあったら行ってみたいよー。
アンコールは山形の民謡?をファンキーに唄ってくれました。中東生まれマルセイユ育ちのアーマッドさんが日本のリズムに馴染んでるのが面白かった。日本大好きなんだって。AKIRA(G:フレッド・フリス/G:大友良英/Vn:横川タダヒコ/Drs:アーマッド・コンパオレ)で活動されてるとのこと。来年のライヴ(17日にも飯田橋の日仏学院ラ・ブラスリーでライヴがあるとのこと)気になるなー。
MCもとても面白かったです。渡辺さんのは勿論明星さんのノダマップでのエピソードがよかったな…。歌にも共通するけど語り部であることって役者の大事なところだなあと思ったり。あと衣裳がいちいちかわいかった。前半キュート、後半ゴージャス。渡辺さんはドロワーズが似合うね…そして本人言う通り(笑)美脚だった!
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ヒカシュー『形而超のクリスマス〜Pataphysique Noel〜』@UNIT
開演ギリギリに入るとステージ上に張ったスクリーンにレア映像が流れていた。1部と2部の間では音と同期させてザクザクリミクスさせてってて、これがまたかなり面白かった。普通に今のクラブで流れてる感じやん…違和感なく……VJは永田一直さんだったとのこと。し、しまったフルで観たかった……。寺で狼藉している海琳さん(当時。現三田さんね)の映像を観ていた後ろのひとが「こんなことしてるから勘当されるんだよ」と言っていた(笑)そして近くに久保田しんごがいて相当に盛り上がっていたのだが、夏のナイロンイヴェントの時みたく暴走しないところが何げに大人だなあと好感度アップ(笑)
いやーそれにしてもすごかった。新旧メンバー入り乱れの8人編成、ステージ狭い。巻上さんが飛んだり跳ねたりする度隣のロマンスグレー戸辺さんにぶつからないかとヒヤヒヤした。そしてセットリストも新旧曲入り乱れ。初っ端から「レトリックス&ロジックス」!ギャー!合間にインプロもどんどん入れるし、MCはいつになくゴキゲンだし(まあステージ上でフキゲンな巻上さん観たことないけど)。レア曲も満載でした。
日本語の歌がズバズバ頭に入ってくると言うのは、母国語だから当たり前のような気がするけれど、実際には素通りしてしまう、残らないものは沢山ある。残るものには、造語の面白さ、発音の明瞭さ、声のデカさ(笑)といろんな要素がある。前述の尾崎豊の直截さと言うのも大事な要素なのかも知れないな。ヒカシューの歌はタイトルからして「プヨプヨ」だし「ベトベト」だし「ドロドロ」だし、同時に「幼虫の危機」で「デジタルなフランケン」で「スイカの行進」(これ聴けて嬉しかったー)。こういうの聴くと日本人でいることの面白みを改めて実感したりして面白い。まあ巻上さんの歌にはハナモゲラ語みたいなものもあるけれど(笑)
そんなこんなであっと言う間の3時間超、いやーいいもん観ました。演奏の重量感、鋭敏っぷりもすごかったです。あんだけズバズバ合って時々脱線しかし即起動修正出来る、音がいきもののように見える(そう、見える気がする!)ライヴはなかなか観れません。いい年末になりました。
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