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2007年06月30日(土)
『El obsceno pajaro de la noche ―夜のみだらな鳥』

菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール『El obsceno pajaro de la noche ―夜のみだらな鳥』@九段会館

昨年末の公演はチケット持ってたのに日ひちを間違えて行けなかったので(…)九段会館でのペペ・トルメント・アスカラールは初見。ゲストはカヒミ・カリィさん。

全ての楽器がアンプを使わないもの(ピアノ、ウッドベース、ハープ、バンドネオン、摩弦のカルテット、パーカッション×2、テナーサックス)。それらの音を丁寧にマイクで拾う。音が大事に扱われている。過度にならない音響で、でも迫力は満点。いやー、音、よかったなあ。

ウッドベース、ハープ、バンドネオン、サックスのユニゾンで展開するフレーズが頻繁に出てくるんですが、バッチリ合ってるのにそこからグルーヴが派生する。ズレないからこそ、と言うのもあるんだけど、この中で菊地さんだけがブレスでリズムをとる訳で、その余韻みたいなものをも取り込んで音を動かしているからかな。これはシビれたー。DCPRGばかり聴いてる時期が長かったので、菊地さんのサックスの格好よさを久々に思い出した(忘れてたんかい)。

リードの調子が悪かったのか音が妙な割れ方をした部分があったんだけど(故意に割れた音を出すところもあるが、それとは明らかに違った)、曲中リードを調節して、確認で数フレーズ吹いた(これも演奏として)ところすら格好よかった。

中盤、各プレイヤーが南さんのピアノを基準にチューニングを始め、それが不協和音となってそのまま曲になだれ込む展開は鳥肌たったなー。格好よかった。格好よかったばっかり言っている。

カヒミは菊地さんと2曲のデュエット、1曲リーディング。あのウィスパーヴォイスも綺麗に拾われてた。

こんだけキメキメなのに、やはりMCは面白過ぎた。カルテットのメンバーはクラシック畑のひとなんだけど、それをいじる菊地さんと言うのがもう、あんな感じなので(笑)「この、葬式のような静けさ」(菊地)と言うくらい客も半笑い(笑)。

蒸し暑い南米のような気候の時にペペを観るのもいいものだな、と思っていたが、今日は予想外に涼しかった。