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2003年10月04日(土) ■ |
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自転車キンクリートSTORE『人形の家』+α |
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自転車キンクリートSTORE『人形の家』@THEATER/TOPS
そう、イプセンのあれです『人形の家』。しかしそこはじてキン、演出の鈴木裕美さんはストーリーのキモの掴み具合がいつも絶妙ですが、今回は「この夫婦って、実は相当なバカップルなんじゃないの…?」ってとこを全面に出してきました。で、そこをしっかり見せる展開にしていくとあら不思議、これ喜劇じゃないですか!以下ちょいネタバレあり。
『人形の家』は「夫に献身的につくしてきた女性が自我に目覚め、自立するために夫と子供を捨てて家を出る話」と言う感じで紹介されますが、ストーリーをじっくり追っていくと「……そうだっけ?」てな部分があちこちにあったりする訳で。そこらへんをガッツリ見せてくれたので、今回すっごいスッキリしたと言うか(笑)舞台を大正時代の日本に置き換えていたこともあり、すいすい話に入っていけました。
妻は自分に酔いがちな世間知らずの不思議ちゃんで、話につじつまがあっていないし、それを指摘されると逆ギレするし、おおいおいおいそれはおかしいやろ!相手はそんなこと一言も言ってないやろ!イライラするう!ってなところをうまい具合笑いのシーンとして見せてるんですね。客席皆がつっこんでるよ!てなもんで。なので「いやあ、この作品って名作て言われてるけど、実際面白いけど、そんな女性の自立がどうこういう深刻な話か…?」と言う消化不良が起きない。要は夫も妻も浅はかやのうと言う話ではと。話が面白いのは確かです。トホホ話として観るのがいいのではないかと。そのガイドとして、この演出はとても効果的だった。
最後にばあやが「おふたりは恋に恋して8年も結婚生活を続けてこられて…奇跡ってもんですよ」みたいな台詞を言うんですが、ここで笑いが起きる。も〜散々夫婦のバカップルっぷりを見せつけられた後なので、すっごいこの台詞は効く。ひとり取り残された夫が溜息をつくラストシーンも、「しょうがねえなあ〜」と苦笑しつつ観る。旦那、がんばれー。でもあなたの言った通り、子供の教育はもっとしっかりしたひとにやらせた方がいいよ(笑)と。
家族を捨てる話と言えば『ガラスの動物園』も浮かぶんですが、これもよく見ると「うぜえよこんな親!」てな部分がとてもきめ細やかに描かれていて、親子のやりとりがかなり笑えたりもする。そこが逆にリアルだったりする。悲劇と喜劇って紙一重だもんな。これはフィクション・ノンフィクションどちらにも言えることだ。
久々のTOPS、しかも2列目と言うこともあり声のラウドさにちょっと退いたが、それがまたアホっぽさを強調しており、時間が経つにつれ慣れたし問題なし。樋渡さんがいい役だったねえ、切ない。
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■長野、新潟、仙台が終了 あとは幕張のみ。仙台寒かったようです。徹夜組の方お疲れ様でした、入れて良かったね
■『音楽と人』最新号 ヘッドコピーは「錆びた風は続く」。初期からずっとバンドを見てきている青木優氏による京都・磔磔のレポートとラストシングルのレヴュー。やべえ、じわっときたのでファッション誌のコーナーへ一度避難。落ち着いてから購入しようと音楽誌のコーナーへ戻ると、同じ記事読んでるひとが2人いてびびった。このひとらも幕張に行くのかな。幕張、「ダニー・ゴー」はやるだろうか
■つう訳で ウォータープルーフのマスカラも買ってきたよ(笑)と茶化す余裕はまだあります
あと1週間、あと1本。来週の今頃は、もうミッシェルガンエレファントと言うバンドは存在していない。
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