事件の背景 寿子と福吉の関係
潮が朝淑子から聞いた話し 事件の背景
1)寿子には慶応出身の婚約者がいた。 2)多市に見初められ、家のため説得されて嫁に行った。 3)姉の久仁子が結婚に反対したので、多市は教師をしていた久仁子の職場まで押しかけ反対する久仁子を懐柔しようとしたことがある。
4)いやいやながら結婚した夫だから長男福吉が生まれると夫に対する反感から溺愛するようになった。本人の要求には父親に内緒で常に小遣いを与えていた。例えば社長職を継承してからも書家の時岡瑞梅氏の告別式に多市の代理で福吉が行くことになり、淑子と寿子宅で落ち合ったことがあるが、福吉は黙って手の掌を返して出すと寿子は二つの香典袋を渡していた。多市と福吉の分である。淑子が「何よこれ。」と訝ると「何時もこうなのよ」と寿子は言った。例えばガス・水道・電気代・新聞代等についてもすべて寿子負担になっていた。これも父に内緒。
5)豊岡 潮が退職して京都に隠遁していた頃、淑子も京都に出かけてY市には留守勝ちであった。この間、家政婦を雇いながら、児島稔子が家事を手助けしていた。これは嫁の昌子が世話をしてくれないからである。
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