2009年01月07日(水) |
サーチャーズ 2.0 |
SEARCHERS 2.0 Their reasons to be on the road; Justice, Gas, and Revenge 監督:アレックス・コックス
かなり面白い現代版マカロニウエスタン。 まず音楽がとても良い。 この映画のテーマソング、「夕陽のガンマン」??? と思って聴いていると、途中からグリーグの「ペールギュント」の“山の魔王の宮殿にて” のメロディと分かる。これはかなりかっこいい! 「ライトスタッフ」のテーマソングが、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とそっくりとか・・・デ・パルマの「スネークアイズ」がボレロと瓜二つとか・・・とは全く違う、エンリオ・モリコーネに敬意をささげたオマージュであることは明白。
考えてみると「ペールギュント」のお話も、音楽は美しいけれどもはちゃめちゃ無茶苦茶なロードムービー(映画じゃないけど)と言えるかもしれない・・・。 この辺からして、かなりいいぞ。
映画は、最初のくすぐりからツボにはまる。オタクおっさんたちの会話が素晴らしい。 そこに良識を持つ娘が入ることにより一層の幅が出て楽しさ倍増。
主人公のおっさんが映画のネタばらしをされそうになって、うなりながら耳をふさいで部屋を飛び出したシーンは、笑いのツボにはまってしまい、しばらく忍び笑いが止まらず涙がでた。
などと面白がっているうちに、はたと、こりゃまたすごい皮肉だと気付く。 おっさん二人が体現するは閉塞したアメリカ。脳内喝采が止まらない。
さすがだわ、アレックス・コックス。 そういえば、アレックス・コックス自身、映画の中でちょい顔見世をしていたような気がしたのは・・気のせいか。
そして、復讐の旅は、たき火やら仲間割れやらを経て、抱腹絶倒・カメラワーク絶好調の荒野のQ&A決闘へ! 決闘の決着は仕込みが大きかったので、ちと拍子ぬけだったものの、映画を貶めるものではなく納得。
|