2008年04月29日(火) |
タクシデルミア ある剥製師の遺言 |
世はゴールデンウィークだ。 GWとともに、かんそうメモを再開してみる。
「タクシデルミア ある剥製師の遺言」 監督・脚本:パールフィ・ジョルジ
「ハックル」がかなり面白かったハンガリーの監督の二作目。 感覚に訴える嫌悪感は、いや増し絶好調。 ダークトーンのおかしみが腹の底から湧いてくる。
三世代にわたる欲の歴史とでも言うべきか。
初代は、性欲・支配欲! 次世代の主人公の父親はぼかされるが、それが東欧的マジックリアリズムとでもいう表現により、奥行き深く感じられる。。 軍を皮肉る。
二代目は、食欲・・というより権力欲。 社会主義を徹底的に笑う。
三代目は、名誉欲。 現代の閉塞感あたりもちょい表現か。
原初の本能的欲望から、時代を経るにつれ欲望の質が変容していく様は ヒトの真髄か。
三代目のオノレの命を賭して達成する壮絶な名誉欲は、うすら寒い。 そんな狂気の政治家やマッドサイエンティストはそこここに存在しているはず。
その壮絶な名誉欲の果てに名を残したはずのラストシーンは、どこかまぬけで滑稽だ。
あくまで底意地悪い表現に拍手を送る。
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