表身頃のココロ
ぼちぼちと。今さらながら。

2005年04月25日(月) 「山中常磐」「レモニー・スニケット〜」

◆ 山中常磐
[日本/2004年/100分]
監督:羽田澄子
絵巻:岩佐又兵衛

昨年のフィルメックスで上映された時、岩佐又兵衛好きの小娘が見て“これはオススメだ〜”と言っていたので、岩波ホールで一週間限定上映、見落とすことなく行ってきた。

この映画は、江戸時代の絵師・岩佐又兵衛作の絵巻物「山中常磐」全12巻をそのままフィルムに収めたドキュメンタリーだ。
浄瑠璃語りの詞はそのままに、しかし今では曲が分からないので新たに作曲された浄瑠璃が全編に流される。

これがアメイジング!てな心躍る面白さなんである。
話は、後の義経=牛若丸が奥州藤原家に身を寄せている時、母=常磐御前が我が子会いたさに旅に出るも、その途中で盗賊に襲われ殺されてしまう。
その後、牛若が母の仇をとり、懇ろに供養するというもの。

涙さそう母子ものであり、復讐たんであり活劇である。
しかも血が飛び首が飛び胴切り唐竹割のスプラッター、かつなまめかしくエロチック。
ロードムービー的要素もあり。
全く不得手な分野なのだが、挿入されている浄瑠璃が素晴らしい。
く〜っ!格好いいぜっ!しびれたぜぇっ!

娯楽的要素爆盛りなのに、美術館のガラスケースの中でしか見られなかったものをフィルム化した功績は大きい。
しかも凄いことに、実物の絵巻だと登場人物が10〜15センチのところ、映画ではスクリーンいっぱいに拡がるのだ。
どアップあり引きありのカメラワークで物語が進む。
アップもまた魅力的な又兵衛の絵なのである。
この絵師・岩佐又兵衛もまた、牛若と同じような育ちをした非常に興味深い人物だ。

ただ、場面転換部分で挿入されるご当地風景フィルムは、少々つまらない映像なのだった。
とはいうものの、羽田監督にはこの先、第二第三の「山中常磐」をお作りいただきたい!と無責任ながら切に願うのだった。

(岩波ホール)


◆ レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events
[アメリカ/2005年/109分]

エンディングロールの切り絵影絵と、エンドクレジットで、ジュード・ロウの名前を見つけたことがいちばんのおもいでです。

(厚生年金会館)


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