表身頃のココロ
ぼちぼちと。今さらながら。

2005年04月05日(火) 「阿修羅城の瞳」

◆ 阿修羅城の瞳
[日本/2005年/119分]
監督:滝田洋二郎 原作:中島かずき
音楽:管野よう子 お歌:スティング
出演:市川染五郎、宮沢りえ、樋口可南子、渡部篤郎、
小日向文世、内藤剛志

劇団☆新感線の舞台の映画化だ。
私は2000年の、染五郎+富田靖子+古田新太バージョンで見ている。
新感線初めての新橋演舞場での公演で、花道も効果的に使われた楽しい舞台だった。
とてつもないほら話を、新感線おなじみとんでもな歌謡ショウ挿入大サービスで盛り上げつつ、べたギャグで笑わせつつ、ラストの大団円まで勢いをぐんぐん増しながら向かう舞台版「阿修羅城の瞳」をどうやって映画で処理するのか、へらへら無責任に楽しみにしていた。

映画は、染五郎のケレン味たっぷりの色気を感じてほら話を楽しめればOK、好みに合わなかった人にとっては辛い2時間になったのではないだろうか。
私にとっては楽しい2時間だった。
染五郎、確かに当たり役だ。ひたすらチャーミング。
無謀ながら、できるものなら大向こうをかけてみたい気分になったりする。

ストーリーは時系列で進み、分かり易くなっていた。
しかし、華のある主役二人以外はちんまりまとまり過ぎて、おおぼら話に振り回されてしまった印象。
渡部篤郎は線が細すぎ。舞台版と比べるのは愚かなことだけれど、何度も古田新太の豪快かつ骨太な邪空だったらどんなに良かっただろうと夢想してしまう。しかし、古田新太ではスクリーンのアップに耐えられなかっただろうことは言うまでもない・・。

へらへら楽しく見ていた私だけれど、ラストの阿修羅城だけはいただけない。
観客の想像に任せる部分の多い舞台と違い、何もかも見せなければいけない映画化に当たって“さかしま”の城の造形は難しかっただろう。
城への導入にエッシャー的ねじれを取り入れたのは良しとするも、その後はアイディアが浮かばず放り投げてしまったかのような印象。
制作時間が足りなかったのかもしれないなぁ。

(4/5 at よみうりホール)


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