2005年04月04日(月) |
騎馬オペラ ジンガロ「ルンタ」4/3 |
現在ヨーロッパで最高の人気を誇っているフランスのパフォーマンス集団ジンガロは、馬を使った曲馬芸に、世界の音楽を用い、オペラともサーカスとも演劇ともつかぬ不思議な世界を紡ぎだす。
東京都現代美術館に隣接する木場公園に特設された、建物内ステージ。 入るなり、照明は既に落とされており、お香が焚きこめられた会場にチベット密教の坊さんたちの声明が低く流れ、すでに異空間が出現している。 ぐるっと階段状の席に囲まれた中央は草原のパオを模したと思われる布製ドームに覆われている。そのドームの周りを、チベットの衣装を着けたジンガロメンバーがチベット聖地巡礼の様式で、遅々とした歩みで這いずり立ち上がりの繰り返しで進んでいく。 ここで「あぁぁ〜しまったぁぁぁ〜〜!」と、後悔の念がわきあがる。 こりゃ、チベット密教の儀式やら何やらかんやら最低限の情報を仕入れておくべきだった・・・と悟ったときはすでに遅し。ドームがするすると持ち上がり演技開始するも、厳かに進んでいく馬と人との動きの意味がほとんど分からない・・。 が、歩み、疾走する馬は美しい。 完璧とも思える人と馬との信頼関係も美しい。 衣装も美しい。 布製ドームへの光の当て方で透視させたり遮ったりの演出や、淡い光と陰の演出も美しい。 後半の、草原の牧童的派手な演技とのコントラストも良い。
また、チベット僧侶の声明と演奏をナマで聴けたのも思いがけない喜び。 映画で言うなら「クンドゥン」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」などでちとポピュラーになったか、長ーいアルプスホルンのようなチベットホルンのぼぉぉぉぉ〜〜っつという地響き音から軽いシンバルのじゃんじゃんじゃんが入って、金管(チャルメラ?)が入り、打楽器が入り、ホーミーの唸り声や倍音みたいな読経が入る。 心底かっこいいと思う。 しかし、のべつ聴いていると脳内にアルファー波が発生、場内の薄暗さと静かな儀式風演技とも相まって気持ちの良い状態に。これが宗教的陶酔の境地か・・>違う。
開場までの間、少々外で待たされたのだが、そこで一緒に行った友人が庵野秀明監督と安野モヨコ夫人を発見。 数年前、パルコ劇場で庵野監督を目撃したことがあるのだけれど、その時とは別人のごときスマートな風貌に激変していてびっくり。 友人によると、モヨコさんとの結婚でオタク風貌を劇的に改善変身させられたらしい。 以前のオタク的無精ひげではなくおしゃれ手入れされたひげと相まって、ちょっと遠目でも近くでも素敵だったぞ。 かの日はポロのセーターをご着用。 やっぱり、ジンガロということで馬つながりでの選択だったのかな。
(4/3 木場公園特設ステージ)
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