興福寺国宝展−鎌倉復興期のみほとけ 東京芸術大学 大学美術館
国宝と重要文化財だらけの興福寺国宝展に行って来た。 今回はスーパースター阿修羅像含む八部衆こそ来なかったものの、充実した展覧会だった。
無著・世親立像 (むちゃく・せしんりゅうぞう)
第一のお目当てがこちら。 魂までもが表現されている天才仏師の仕事 に打たれて泣きそうになる。 鎌倉時代に作られてから約800年間、今まで 百万回以上も言われ続けているに違いない ほめ言葉、「もう耳たこさ〜」と日々つぶや いているかもしれないが、 確かにこのご両人、生きている。
天燈鬼・龍燈鬼立像 (てんとうき・りゅうとうきりゅうぞう)
四天王などにいつも踏みつけられている邪鬼。 脇役ながら個性的な踏みつけられ方をする子 も多く、邪鬼の隠れファンも多いのではない かと思う。 ここでは足の下から独立させてもらい、仏前 を照らす役目を与えられているのだ! ここぞとばかり張り切る天燈鬼・龍燈鬼。 とはいうものの、私の行った日はすでに天燈鬼 は実家へ帰っていて龍燈鬼のみの展示だった。 写真で見る両体はあ・うん、動と静の対比も 素晴らしく、豊かな表情と動きは愛さずには いられない。
ミュージアム・ショップで図録や興福寺関係の本をぱらぱら見比べていたが、写真の 出来不出来のあまりの落差に今更ながら驚く。 生きているように作り出す仏師がいるように、生きているように撮る写真家の仕事は 美しい。
最終日の前日、平日なのに大変な混雑ぶりで、朝一で行って正解。 帰る頃には入場制限の列ができていた。
|