コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2005年10月28日(金) 平成電電のケースから「ファンドの本質」を学ぶ


こんにちは、カン・チュンド です。

新たなニュースが矢継ぎ早に流れてくる世の中ですから、
(皆さん)もうこの出来事は忘れてしまいましたか?

通信ベンチャーの平成電電が10月3日、
民事再生手続きを東京地裁に申請しました。


(事実上の倒産です・・)
 

この会社、固定電話サービス「チョッカ」で有名なのですが、

別会社の「平成電電システム」「平成電電設備」を使って
投資家から資金調達を行っています。

(通信事業には 莫大な設備投資 = お金 がかかりますよね・・)


「平成電電システム」等は「平成電電匿名組合」を組成して、

10%の高利回りをうたい、1万人以上の投資家から
500億円近い資金を調達していた模様です・・。

< んー、シンプルに、本質 を見てみましょう・・>


「匿名の組合」とは ファンドの一種 であり、

要は「お金を出資してください、10%の利回りを保証します!」
と云っているのです。

(スキームとしては 下記のようなイメージでしょう)


                          設備を貸し出し   
「匿名組合員」 → 出資 「平成電電システム」等 → 「平成電電」
  (投資家)     
          分配金            リース料
           ←               ←


一般生活者の「常識」として、

◆ 10%の利回りを保証しますで、リスク がないはずがありません。

(そうですよね?)

上記スキームの前提は、

「平成電電」の事業がうまくいき、
リース料が滞りなく払われ続ける・・というもの。

(残念ながら)事業を行っていますから、
「うまく行かない」こともあるわけです、もちろん。


「元本を保証するって、言ってたじゃないか!」
と怒ってみても、相手は資金調達のプロ ですから、

必ず「逃げ道」を用意しているはずです。

→ 要は「免責事項」ですね。


(おそらく)

事業に 損失 が発生することで分配金が支払われなかったり、
最悪の場合、出資した金額が返還されない可能性があります。

という類の「文言」を、契約書に入れているのではないでしょうか?


わたし先ほど、

「匿名の組合」とは ファンドの一種 と言いました。


ただ単純に、出資者からお金を募り、

そのお金を用いて 組合本体(ファンド本体)が
「通信設備」という 資産 を保有している場合は、

ファンド本体、あるいは
ファンドが 資産 を貸し出している事業体 が【倒産】してしまうと、

その「リスク」を まともに受けてしまいます。


上記の場合、「平成電電」が倒産すれば もう お手上げ なのです。


⇒ 今からお話するところ、すごく重要なので
  集中力を2割増しにしてください(笑)


晋陽FP事務所が推奨している、
【投資信託】というカタチでの 資産保有法 ですが、

◆(厳密にいうと)

ファンド と 投資信託 は その【スキーム】が異なるのです。

??


先ほどのスキームは、

「匿名組合員」 → 出資 「平成電電システム」等 → 「平成電電」

でしたね。


例えば あなたが 投資信託
「中央三井外国株式インデックスファンド」を購入したとしましょう。


そのスキームは、

あなた(投資家)→ 出資「中央三井外国株式イ・ファンド」 

→「世界の株式」 というイメージです。


(想像してみてください・・)

このファンド が投資する 1450銘柄 の世界株式のうち、

1つの会社が倒産して、株価がゼロになってしまっても、
ファンド自体に与える影響は 微々たるものですね。


なぜか?

(分散投資しているからです・・)


一方、

「平成電電システム」等は
「平成電電」たった1社に 資産 を貸し出しているのです。

(平成電電 と一蓮托生・・)


もうひとつ、「中央三井外国株式イ・ファンド」を運用する 運用会社、
中央三井アセットマネジメント が倒産したらどうなるのでしょうか?

ファンドが組み入れている世界の株式群、現金等は??

(ここ、重要ですね・・)


実は、ファンドの資産(現金・株式等)はすべて、
受託会社である「信託銀行」が保管しています。



したがって運用会社が倒産したとしても、

◆ あなたの財産 は「保全」されるのです。


つまり、投資信託の【正確なスキーム】としては、

あなた(投資家)→

出資 「中央三井外国株式イ・ファンド」 → 「世界の株式」
                  
                   ↓
               (資産管理 を委託)
                   ↓
                受託会社「信託銀行」
               (資産管理 を受託)

   
なのです。

この、

資産管理 を委託 ⇒ 資産管理 を受託 する部分が
まさに【信託業務】であり、

このスキームがあるからこそ、

中央三井外国株式イ・ファンド は

投・資・信・託 と呼ばれるのです。


(なるほど。)


単なる「ファンド」と「投資信託」は

そのしくみがまったく異なるのですね・・。


投資信託の すばらしいところ は、
ファンド運用体 の【倒産リスク】を隔離しているところなのです!


> 分散投資 ができる
> 運用体の【倒産リスク】をゼロにできる


このふたつの理由から、

わたしは 投資信託のカタチで資産を保有することを
お勧めしています。


皆さま、素敵な週末を!


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 11/6日 知的人生設計 ワークショップ in 大阪
【これが買ってはいけない金融商品ベスト10です】
 今回は さまざまな種類の金融商品を見比べ、
 どこがいけない部分なのか、また

 なぜお勧めしないのか?という「理由」について
 分かりやすく解説したいと思っています。
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          あれですね、頭が そのまんま東さん状態・・(笑)



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