嗚呼!米国駐在員。
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2006年04月27日(木) 取り皿を変えてくれ!

取引先と日本料理屋で会食をした。


冷奴や枝まめなどの可もなく不可もないツマミをそれぞれつついていると、マジメそうな若者アメリカ人ウェイター(白人)がやってきて、それぞれ目の前にある取り皿を回収しに来た。

お、気がきくな。

ところが、いつになっても取替えの皿を持ってこない。よくみりゃ、兄ちゃんはすました顔で片隅に立っている。

慌てて呼び出して、皿を持ってくるよう伝えた。

ところがこの兄ちゃん、鯛のお頭をのせるようなバカでかい皿を両手で抱えて持ってきた。

それを見て、一緒に食事をしていたオッサンAは怒り、別のオッサンBは笑った。どちらの気持ちもよく分かる。そんな両極端のリアクションを受け、兄ちゃんは何がなんだか分かっていないようだ。

体よくマスター(これもアメリカ人だが)が通りかかったので、皿を持っていかれて代わりが来ないと伝えると、慌てて小皿を人数分持ってきた。

「彼は入って2日で、まだ分かっていないから。」

まあしょうがない。その場はそれで収まった。



しばらくしてからマスターがまた来た。

「きつく言っておきましたから。彼、皿を取り替えるって知らなかっただけなのよ。」

こちらとしてはもうそんな過ぎた事はどうでもよかったのだが、わざわざ誤りに来た。



その後、例のウェイター兄ちゃんが悲壮な顔をして現れた。

「サキホドハスミマセン」

お、日本語喋れるのか。裏でこってり怒られたのかな。まあ怒ることでもないと思うが。

で、目の前の枝豆のカスが入った皿を手に取って下げようとするのだが、さっきのトラウマで手が出せない。手を出したり引っ込めたり。

‘どうみても残り物だと思うけど、日本人は食べるかも。またさっきみたいに怒られててもなあ。’ あながちそんな思いを抱いてたのだろう。




中西部で日本語を勉強する若者は珍しいと思うが、こんなツマラぬ事で貴重な日本ファンを減らしてしまったのだろうか。

でも、皿の交換なんて日本食でもアメ食でも関係ないだろ、と思うのだが。


Kyosuke