嗚呼!米国駐在員。
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2005年11月21日(月) クリスマスパーティの場所を巡って

いよいよ11月も下旬に突入。
日本ではそろそろ忘年会の予定が埋まり始めている頃だろうか。あれだけ面倒くさくて嫌だった忘年会だが、勝手なもので今から思えば懐かしいものだ。仕事を忘れて鍋なぞを突きながらワイワイと。そして2次会、3次会。朦朧としながら出社して、そして次の日も同じ繰り返し。

そんな世界とは全く無縁なここアメリカ。
代わりといってはなんだけど、クリスマスパーティというものが社内で企画される。社内の全員が集まって食事をする年に1度の機会。何のことはない、ただ夕食を食べに行くだけだ。

場所や日程は日本と同じで全員の意見なんて聞いていてはまとまりもつかない。そうだ、誰かが強引に決めてしまわねばならない・・・そんな考えが間違いの始まりだった。

12月でもせわしなく出張や来客の予定が入っているのは日本人駐在員だけ。いつもの悪い癖なのかもしれないが、日本人だけで日程とおおよその場所を決めてしまって、現地スタッフに伝えて打診することにした。ところが出るわ、出るわ、文句の嵐。

提案した日程。いつものように彼らは就業後は何の予定のないようなので、なんと全員問題無し。これはクリア。

問題が場所である。家族も連れて会社の厚生費でタダ飯が食えるとあって、いつも見事な自己主張をされるアメリカ人たちは黙っちゃいない。出てくるレストランの名前は、普段は行かないような少々値のはる所ばかりである。


「あのレストランは前に行ったけど今ひとつだわ。Aなんてどお。」

「でもAは料理がスパイシーだからちょっとねえ。今年はFにしましょ。あそこおいしいわよ。」

「ダメダメ。絶対。Fの料理はうちの旦那が苦手なの。」



知るか!!



最後にはスタッフが集まって激論が始まった。もう仕事は当然そっちのけである。自分の意見を聞いてもらえなかったオバサンは、プイとすねてタバコを吸いに外に出てしまってなかなかオフィスに戻らなかった。そういえば、日本でも忘年会の場所なんて男は気にしないけど、女性へのおうかがいは必要だったな。


結局は中華だとか日本料理だとか、日本人駐在員が望んだアジア料理は一切ダメ出し。彼らが喜べばいいからそれは全く問題ない。


で、結局どうなったかといえば、何の変哲も無い肉の塊を食いにいくことになった・・・・って、毎年一緒かよ。どこで食っても一緒だと思うのだけど、彼らにとっては違うらしい。



決まった獲物は狙い撃ち。狩猟民族アメリカを思わせるシーンであった。 君達、仕事も狙い撃ちしてくれよ。



Kyosuke