嗚呼!米国駐在員。
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2005年10月31日(月) 駐在員がほっとする瞬間

日本からの出張者を連れて米系企業2社を訪問。

ただの表敬訪問のつもりが、それぞれ幹部のお偉いが出てきて予想外の討論を強いられることになったが、それなりに決断の速い幹部との話は実りあるものになった。

日本からの出張者はまだ若手だが、米国短期留学もしてTOEICでも高得点を挙げていると聞いていた。確かに自信満々、意気揚々とアメリカにやってきた。
英語のバックボーンもろくになく、たかだか米国滞在2年半の自分は語学力で見劣りするかなあ、などと思ったのだけど、

「さっきのミーティング、何て言ってたのですか。全然分かりませんでした。」

と聞いてきた。う〜ん、駐在員がほっとする瞬間である。


そうそう、TOEICのような英語をしゃべってくれるアメリカ人なんていないんだよ。


あと、これもトレーニングだ、とか何とか言ってレストランで注文をさせたのだが、ウェイトレスに案の定「もう一度言ってください」と言われ、
もう一度注文を繰り返したのだけど、首をすくめて両手の平を上にあげて 「 Ha !? 」と言われたとき。

これまた横で見ている駐在員がホッとする瞬間である。


自分は実に嫌らしい人間である。
ただ、普段は狭い社会で生活しており、アメリカでの自分の語学力や交渉力がどの程度ついたのかを客観的に感じる瞬間というのは全くない。所詮、比較でしかモノを図れないのだが、何も比較の出来ない中でいると、こうしたササヤカなことでも、少しは自分も成長したかも,と感じることが出来、それはそれで貴重なのである。


Kyosuke