嗚呼!米国駐在員。
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2005年09月08日(木) ハリケーン被害とアメリカ社会

ハリケーン、カトリーナの被害。

時間が経過する毎にその被害の凄まじさが分かってきた。今週のTIME誌の写真は本当に悲惨であった。

多くの取り残された人たちはテレビの前で、自分がいかに貧しいか、いかに社会的に不平等を受けているかと語っていた。国は何をしてくれる?ブッシュは差別しているだろ、と。

一方で、強制避難命令が出ているにもかかわらず、ニューオリンズでは約1万人が居残っており動こうとしない。みんなが、俺達の事なんて放っておいてくれ、と叫んでいる。警察がそんな人を家から引きずり出す。


彼らは本当に貧しくて不平等を受けたのだろうか。

よく分からない。


アメリカに住んで感じるのは、消費にどんどんお金を費やす人が多いこと。低所得層の人たちが集まるというウォルマートだって、黒人が山ほど買い物をしている。だからだろうか、貯蓄率は本当に低いというデータがある。

うちの会社もそうなのだが、アメリカ人の給与は週給となっているところが一般的と聞く。

金曜日の給料をもらったら、土日で大量に買い物して家と車のローンを払ったら給料は無くなる。また少し待てばお金が入るから、貯蓄なんてする必要がないと思っている。そんな感じではないだろうか。ましてやアメリカ人の買い物ぶりは豪快だ。目に付いて気になったものはどんどんカートに放り投げる。商品を吟味するとか、どの商品の価格が安くなっているのか、とか、あまり彼らはしていないようだ。そして、代金カード決済だから、お金を使った感覚が全く無いのだろう。


こんな庶民が多い地域で今回のような災害が起きれば、貯蓄の無い庶民は一瞬で人生の路頭に迷う事になってしまう。そして、お金の無い庶民がお金の無い政府におんぶにだっこの構造が浮かび上がってくる。


天災に一番弱い国は実はアメリカなのかもしれない。


被災された方は本当にお気の毒なのであるが、ほとんどがみな丸々と太った身体である。貧困だと訴える人たちの貧困たる根拠が飢餓ではないとしたら、一体貧困とはなんであろうか。



Kyosuke