嗚呼!米国駐在員。
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地方都市への移動日。午前中に時間が出来たので、床屋に行くことにした。中国の床屋はどんなものだろうか?
日本人向けの理髪店やホテル内にも比較的上品な美容室があったのだが、あえて地元の店に行くことにした。
小さな通りに行くと何軒か床屋を見つけた。前を行ったりきたりしてしばし躊躇した後、めぼしいところに思い切って入った。 中に入るとおそろいのシャツを着た20歳前後の若い男がずらりといたのだが、その中の1人が鏡の前の椅子に案内してくれる。他のヤツらは何も言わないどころかこちらの存在を全く無視。座ったままで店内の音楽に合わせて歌を合唱。異様な雰囲気だ。
鏡の前の椅子に座ると、兄ちゃんがいきなりシャンプーを頭の上にたらす。そして、油さしの中に入った水を少しずつかけて泡立てる。なんとも強引な幕開けだ。
その後シャンプー台に連れて行かれシャンプーを流す。最初からそこで洗ってくれないのは何故か。
その後、別の小汚い兄ちゃんがハサミを持ってきた。何かを一生懸命喋るのだが、全く全く分からない。みようみまねの中国語で「少しだけ」と頼んだ。もちろん、少しだけ切ってくれ、という意味のつもりで。予想外にカットは比較的丁寧に進む。アメリカの床屋とは比較にならないくらいだ。その都度何か聞いてくるのだが、全く分からないので、相手も不機嫌そうな顔を見せる。
気がつけば、髪は本当に短くなってしまった。トラ刈りだ。 「少しだけ」と言ったつもりが「短くしてくれ」と受け取られたのかもしれない。が、そんな事は覚悟の上だったのでたいしたショックはなし。
会計は30元(3ドル)。これはお徳だ。本来渡さなくてもいいのだが、チップとして10元をカットしてもらった兄ちゃんに渡すと満面の笑み。 言葉が分からないのはどうしようもないが、まあ熱心さが伝わったので比較的気分が良かった。
Kyosuke
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