嗚呼!米国駐在員。
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2005年05月18日(水) 中国企業の新人君

仕事で付き合いはじめて1年半になる中国企業がある。

昨年6月、そこに大卒の新人(男)が入り、うちの会社の担当になった。大学で英語を勉強していたとかで、読み書きは出来るが会話はあまり出来ない。もちろん新卒だから社会人の経験はない。でも、その会社の社長から、新人だけど彼を宜しく頼む、といわれていたので、こちらもそれなりに対応をした。

中国に出張するたびに彼とはミーティングをしたり食事をしたりして、関係を深めていった。
とてもマジメで熱心ではあったが、唯一の不幸と思われたのは、彼の会社はものすごい勢いで成長している中国企業だったので、社内の誰かが教育するとかそんなゆとりもなく突然現場に放り出されてしまった事。こちらは取引先ではあったけど、まるで彼の上司のように色々指導した。あるとき、彼が地元の有力者の御子孫である事が分かったけど、こちとらそんなのは関係なく最初から変わらない対応を続けた。

しかし、彼はミスが多かった。
新人であり、ある程度知識がない事によるミスは許せるが、本当に単純なミスが多かった。その度に、電話で指摘しメールで改めて指摘し、そのミスがどんな問題を引き起こし、どんな損害につながるかまで毎回丁寧に伝えた。度重なるミスの連続に、取引先(客)であるこちらもつい感情的になった時があったかもしれないが、何度も会って性格も分かっているので既に情が入っている、基本的には彼の教育担当のように対応した。

彼も毎回謝りながら、自分なりに気をつけて仕事を進めていたのが分かった。そこには中国人だとか日本人だとかは、もはや関係がなかった。

すべては順調に回りだした。お互いに新しい商売がそこそこ確立されてきて、彼も周りを見れるようになり色々な事が分かりだしてきたようだった。こちらもうれしかった。




そんな彼から、「明日で退職します」というメールが来たのは先週の事であった。(続)


Kyosuke