嗚呼!米国駐在員。
<目次>|戻る|進む
約13時間の長いフライトは、ほとんど一睡も出来なかった。映画を3本見たが眠気が来ない。2年ぶりの日本に興奮していたのだろうか。
ついにやってきた日本。
成田エクスプレスのチケット代のお釣りでもらった1000円札が小さくなっていた。 キオスクでは、何を買おうか、小さな店の前で5分位迷ってしまった。雑誌も新聞もドリンクも全部くれ、という感じだ。待っている間、おばちゃんが「いらっしゃいませ〜」と繰り返す。 電車から見える千葉の風景。昔は、田舎だなあ、広い田んぼだなあ、なんて思っていたが、今やどれも規模が小さく見えた。
東京駅。帰宅ラッシュの人ごみが混ざり合ってその中に中々入っていけない。何じゃありゃ。荷物を持って呆然とする。 エスカレータと駅のホーム。ほとんど若い人が携帯を見て何かやっている。異様だ。 ホテル。ベッド1つと少しのスペース。狭すぎる!これで1万円かいな。 本屋。どれを買おうかあまりに迷って結局何も買えず。その空間そのものが贅沢だ。「海辺のカフカ」の文庫本が山積み。客の1人が山を崩してしまい本が床にバラバラに。店員が慌ててかけより、「申し訳ありません!」 なんで謝る?? 道を歩くと人がぶつかってくる。謝りもしない。何だ失礼な、なんて思ったけど、気がついたら右側を歩いていた。日本は左通行だった。失礼なのは俺だった。
夕食。これまた何を食べようか、どの店にも入りたくてなかなか決まらず30分うろうろ。結局ラーメン屋に。 さっそくカウンターで「ビールとラーメン!」う〜ん、いい響きだ。 ところがこれじゃ済まなかった。「ビールはビンと生、どうしますか?銘柄は?ラーメンは、こってりとあっさり、どうしますか?ねぎは?味噌は?ニンニクは?」 全て意味さえ分かれば、この質問攻めも心地いい。 2年ぶりの日本のビールは少し苦かった。注文してすぐに出てくるキンキンに冷えたビール、いいねえ。そしてラーメンのうまい事。店は混雑していたが、これほどの有難みを持ってラーメンを食べているのは自分くらいのものであろう、どんな思いでこのラーメンを食べているか、お前らには分かるまい、と1人で思いながらぺロリ。餃子とビールを間に、若い部下に説教している上司。そういえばいたなあ。
こんな日本もやっぱり落ち着く。やっぱり自分は日本人!
Kyosuke
|