嗚呼!米国駐在員。
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2005年01月29日(土) FAと転勤

メジャーの移籍を巡って、上原と井川という日本を代表するピッチャーが球団ともめている。
FA権取得前の「わがまま」と位置づけられ、日本では非難の声が出ているというが、どうしても行きたいというのだからしょうがないだろう、と思う。というより、契約更改もせずに自費でキャンプインの状態寸前まで来ているのだから、もう日本には残りたくないというか残る訳にいかない、残された道はあらゆる手を使ってでもメジャーに行ってしまうしかない、というのが、選手の本音だろうか。

実力ある人間が、上を目指したいのに挑戦すら出来ないというのは不幸な話しだ。
ルールはルール、と片付けれるのは簡単な話しだけど、こんな気持ちで残っても果たして本人の為にも球団の為にもなるのだろうか、と疑問になる。

ちょっと話しは違うけど、うちの会社で海外駐在のFAを出したらどうなるか考えてみた。

まず年齢。入社年次の若い者ほど積極的に海外駐在に手を上げるかもしれないけど、受けるほうからすれば商売の基盤もない若手は遠慮願いたい、と言う現地法人が多いだろう。一方で実力ある若手というのはコストも安いし、各国で引っ張りだことなる。
そして地域。昔ならば人気はアメリカだったのだろうが、いまや完全にアジア。国でいうとタイか中国が人気か。

まあ入社して10年を越えると、仮に会社側から「好きな地域で駐在させてやる」と言われても、余計な打算が頭を駆け巡ってなかなかはっきりとした意思表示が出来ない人が多いだろう。たとえ興味もあるし生活してみたい国があっても、他の日本人駐在員と合うかな、とか、仕事の内容が自分に不向きではないか、とか、その地域に駐在することによる今後の社内の立場であるとか、要はどうでもいいようないろんな情報が邪魔してしまい、まっさらな状態で判断できなくなってしまう。

よって、まな板の鯉のごとく、経営側の決めた人事になすがままになる。
サラリーマンは転勤があるから大変だ、とかぼやく人ほど、実は会社の決定に従うしかない境遇に居心地のよさを感じているのである。

強烈な自己主張がある人は組織にこだわらない。
もしくは組織に属しながらもうまく自分の主張をかなえる人がいれば、そういう人が社内で出世していくという事であろう。


Kyosuke