嗚呼!米国駐在員。
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2004年12月19日(日) 時差ボケ / 「漂流街」

ハワイとの4時間という中途半端な時差が結構こたえる。
いっそ日本や中国のように昼夜が逆転してくれた方が、対処の仕方があって楽なものだ。昨晩も夜中に目覚めて眠れなくなった。今日は起きたら既に昼過ぎだった。

でもまあいいや。外はマイナス13℃だし、バケーション直後だからクリスマスバーゲンで散財する心の余裕もない。なんだか、Tシャツと短パンでうろうろしていたハワイの日々は夢だったのか、と思ってしまうほどの別世界。

せっかく日焼けしたのにすぐ元通りだな、こりゃ。


ハワイ往復のアメリカン航空の機中にて、「漂流街」 馳星周 著読了。

日系ブラジル人の主人公、マーリオ。
借金を抱えたうえにヤクザとトラブルを起こし、さらに激情に駆られ女を刺し殺してしまう。逃亡を図りながらも、関西ヤクザと中国マフィアとの間で覚醒剤をめぐる大きな取引があることを知り、敵も味方も分からない3人の男女とともにその金を強奪する計画をたてる。

追い詰められたマーリオが、最後の悪あがきを繰り返す。時には計算高く、時には場当たり的に繰り返す。もう滅茶苦茶で疲れてしまうほどだ。

人がどんどんえげつなく殺される物語なので、どちらかといえばあまり好きではないジャンルなのだが、とにかく展開が早くて面白い。引き込まれる内容に一気に読んでしまった。中国社会、ヤクザ社会も実にうまく書かれており、興味をひきつける。

あいのこ、と呼ばれる主人公の孤独と苦悩。信じるものはカネばかり。出てくる登場人物がみんな目先の欲だけで動くその単純さの裏の恐ろしさ。そして、やりたい放題に荒らしまくった主人公がそれでもなお故郷ブラジルに戻る事を夢見る執念深さ。

パワーのある作家だな、と思う。他の作品も読みたいな、と思った。
この本は数年前に日本の図書館で借りて読んだ覚えがあるが、ストーリーをすっかり忘れていたな。映画化もされたようだ。

明日から久しぶりに仕事か。


Kyosuke