嗚呼!米国駐在員。
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2004年11月20日(土) |
上海のホテルどたばた劇 |
帰国日の昨晩は午後10時過ぎにたまらず爆睡。案の定、土曜日の今朝は朝6時に目が覚めてしまった。時差ぼけを直すには、これから夜まで眠らずに耐えねばならない。とは言っても、外は寒いし雨の予報。家でのんびりしていると、どうしたって眠くなるよなあ。
今回の出張で一番参ったのはホテルである。 毎日世界中から観光客とビジネスマンが押し寄せる上海。上海のホテルの部屋を確保する事が難しいというのは有名だ。
当然ながら出張前に予約はしておくのだけど、いつも同じホテルが確保できるとは限らない。今回は上海で合計5泊したのだけど、チェックインしたホテルが6つという何とも奇妙なことになってしまった。
まずはケチの付き始めは上海到着初日の11日。 これは12日の日記に記載したけど、とてもホテルとは言えないようなまるでボロアパート。フロントでもめた末にお粗末で汚いスイートにまわされた。まあ、その日は寝るだけだったので我慢したけど、6千元($75)はどう見ても割りに合わない。もちろん、インターネットなんてもんはない。
地方から戻った13日。これは予約したホテルE。振り返ればこれが唯一すんなりいったケースであった。
その後、大連から戻った16日。上海の空港で、予定のホテルJに電話を入れて道順を確認する。その際に念のため、と思って自分の予約の確認をすると、あなたの名前は予約がない、と抜かす。 こちとら2日前に電話して予約の確認もしているし、予約確認書まである。対応した小姐に厳しく問い詰めると、電話は担当マネジャーの男性が変わった。
「あなたの予約は確かに入っていましたが、昨日キャンセルの電話が入ったのでキャンセル処理しました。もう、今週は部屋がありません。」
「何やて!?」
その後、散々やりとりをしたけど、結論はその日の部屋は全く無いのでどうしようもない、と向こうは譲らない。一体、本人確認もせずに勝手に部屋をキャンセルするとはどういう事だろうか。これが5つ星ホテルだから参ってしまう。
実はこのホテル、今回会うことになっていた日本からの取引先の要望に合わせて同じホテルにしたもの。面談やら会食やらで、ホテルが違うと実に不便なのだ。
空港で合流した現法の現地スタッフに事情を説明。 慌ててその場で契約ホテルに片っ端から電話をしてもらう。が、上海のホテルで当日の空き部屋を探すほど困難な事はない。が、とにかく寝る場所を確保しなくちゃならない。 30分ほど電話をあちこちかけてもらって、唯一部屋があったのは、外資系高級ホテル。1泊250ドルあまりだけどやむをえない。パスポート番号とクレジットカード番号を連絡して予約完了。 商談を終えて、ホテルでチェックイン、しようとしたのだが、
「名前がありません..」 「!」
同行した現地スタッフが必死の形相でフロントに食いつく。 もうこちらはどうにでもなれや、とソファーに座って展開を見守る。
最後は黒服マネジャーが登場して、 「お部屋を用意いたします。」 最初からそう言えって。
翌17日。 商談の移動中にホテル探し。唯一予約できた中級ホテルSに行くと、ベルボーイが荷物を持ってホテルを出て建物の裏に歩いていく。訳も分からずついていくとそこはボロ屋敷のホテルZ。江戸川乱歩の小説にでてくる洋館という言葉がぴったりの古い建物だ。 とてもフロントとは言えないような場所で事情を聞くと、その中級ホテルSの同じグループホテルだそうだ。とにかく鍵をもらって部屋に入るとそこはハリーポッター。
居るだけで恐怖の館。しかもネットもビジネスセンターもないから仕事も出来ない。電話もダイヤル式。たまらず、元々入る予定だったホテルSに電話を入れて、「ホテルZではなく、元々ホテルSで予約をしてたんだ。何で違うホテルなんだ?」と伝えてごり押しで部屋を取る。
その後フロントに向かい、チェックインキャンセルを申し出る。散々ここでもごねられたけど、聞く耳持たずに荷物をまとめて後にする。
そこでホテルSにチェックイン。 ここでもネットが接続出来ない。FAXも受け取れない。何故か国際電話も通じない。でも、しょうがないのだと諦める。
夕刻になって、もともとの宿泊予定だったホテルJに、日本の取引先をピックアップに向かう。キレイなホテルだ。宿泊値段はほとんど変わらないのに、今の自分がいるホテルSとの違いを考えるとたまらない。おまけに、ここは自分が予約して泊まるはずだったホテルだ。何だか腑に落ちない。
たまらず、フロントで年配の黒服を捉まえる。
「予約したのに勝手にキャンセルってどういうこと? 誰がキャンセルしたか教えてください。私は本人ですけど、一切そんな事はしていない。」
黒服は一旦奥に引っ込んだ。 そして、10分ほどして戻ってきて黒服は仰々しく言う。
「あなたの為にお部屋を確保します。ただし、本日は20部屋以上オーバーブッキングですので、すぐにチェックインして下さい。」
これまた何だかおかしな説明だけど、今後を考えるにこのホテルに入ったほうがよい。すぐにチェックイン。 そして慌ててタクシーでホテルSに戻って荷物をまとめてチェックアウト。宿泊料も半額取られたけどやむをえない。
こうして上海ホテルのどたばた劇は終わった。 ビジネスマンとしては大失格である。ホテルの心配なんかしていたら仕事になりゃしない。しかし、何かの手違いだろうけど勝手に予約がキャンセルされるという今回の展開ばかりは予想できなかった。
今後、同様の問題が起きたら? まずはホテルに向かえばいい、と分かった。ホテル側も、宿泊しようとする目の前の客を相手に、部屋が無いから帰ってください、などとは言わない。予備の部屋を用意しているものである。ただし、これが通用するのはそこそこのレベルのホテルに限る。中級以下のホテルは、もう何が起きてもおかしくない。
Kyosuke
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