嗚呼!米国駐在員。
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2004年10月03日(日) ICHIRO SUZUKI

先週水曜日から日曜日の今日まで、日本や全米各地からの出張者の連続jで対応におおわらわであった。
会食、打ち合わせ、ゴルフ、送迎、などなど。
その間、耳が痛んで水がでるわ、差し歯は取れるわ、イチローは記録を達成するわで大忙し。また、こんなときに限って、仕事も多忙。これまでに蒔いていた種が急に育ってきて、来週は急遽出張になった。まさにそんな一週間だった。

イチローの新記録については気になってしょうがないのだが、アメリカにいながらその情報を日本のネットニュースでしか取り出せない事にとても苛立ちを感じている。
時間があればESPN(スポーツチャンネル)を見ているのだが、記録達成の映像が出ない。西海岸ならともかく、中西部のこちらはカブスのワイルドカード争いのニュース一色であり、記録達成翌日の朝刊でもその扱いはとても小さかった。一体、米国中西部の何人がこの大記録の出来事を知っているのだろうか、と本当に思ってしまう。
自分がもし純粋なアメリカ人で野球にそんなに詳しくないのであれば、この記録は知らなかったかもしれない、と思うほど。

一方で台湾の昔の商売仲間からは、記録達成の日に祝福(?)のメールが届いた。アジアでも今回の記録はそこそこ報道されているのかもしれないな。

それにしてもイチローについては言葉無し。
あれだけ実力をみせつけられては多少マスコミサービスが旺盛でなかったところも、さまになる。実力があるからカッコいい。これは事実。

でも、これからも大変だろうな。首位打者を「指定席」と報道するマスコミ、それからファンは、イチローにヒットを求める。当然のように求める。記録達成が間近になったとき、一安打だけだった試合にもの足りなさを覚えた人も多いようだ。

記録も人気も金も名誉も手に入れた今、今後は並大抵のモチベーションで通用する世界ではない。

例えばゴルフでは最高の技術をもつタイガーウッズ。現在は実績を出せずに苦しんでいるが、やはりハングリー精神というか最後の気合が、世界ランク1位を奪われたビジェイに足りない、と言われている。そこそこ悪くない成績でも、不調時の報道内容は厳しい。

イチローもいつかはこのように、頂点を極めたものゆえの壁にぶちあたる時がくるのかもしれないけど、イチローはこれからもそんな世界とは無縁の気がする。

それにしても、もっとイチローを取り上げてくれ、アメリカよ。


Kyosuke