嗚呼!米国駐在員。
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2004年09月27日(月) 駐在員は自分を見失いやすい

駐在員というのは実に自分を見失いやすい状況にあると思う。

日本から派遣されての小さな島での狭い社会。勘違いしてしまえば、とことん勘違いしてしまう。うちのボスのように。所詮は日本に戻れば米つきバッタのように、上役にペコリペコリの奴なのだが、遠く離れた異国でトップとしてちっぽけな権力を手にした途端、俺はすごいんだ、と思い込んでしまう。所詮はサラリーマンの中間管理職なのだが、自分の上がいないとなるとこうして勘違いしてしていばりちらす。
現地の責任者は、こうした「お山の大将」が多いが、自分で気がつくはずもない。

逆もまたしかり。
俺は駄目だ、と自身をなくして思いつめると、とことん落ち込んで精神的な病になってしまうこともある。そして駐在期間を残して帰国となる。

どちらもバランス感覚が欠如してしまうのが原因だ。日本にいれば、愚痴のひとつやふたつ言える仲間や場所がある。世代や世界の違う人の話にうなずいて刺激を受けることもある。

でも、駐在員のように周りに会社の同期も昔馴染みや気の合う学生時代の友人などもいないとなると、客観的に自分を見つめる機会を逸してしまいがちになる。日本にいたときは意識せずにやってきたこういった事が、こうして駐在するとかけがえのない貴重な瞬間だったのだと思う。

駐在して1年間は言葉も全く分からずとにかく必死だった。
が、ほんの少しだけ余裕が出来てふと自分のことを考えると、あれこれと不安も出てきた。

ここから先、どういった意識をもって駐在員生活を過ごすかで自分の将来が決まる気がする。
自分を見失わないために、会社人間にならずに視野を変えて新しいものに挑戦していきたい。


Kyosuke