嗚呼!米国駐在員。
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2004年08月06日(金) アメリカのVACATION

VACATION - 噂には聞いていたが、アメリカでこの言葉がこんなに市民権を得ているとは思わなかった。

アメリカのこの時期。どこもかしこもVACATION、誰も彼もがVACATION。 取引先の担当に電話すればボイスメッセージで「VACATIONで今週はいません」と応答。メールを送れば自動メッセージが戻ってきて、来週半ばまでVACATIONで不在です、って。中には御丁寧に、旅行先まで書いてある場合もある。「8月4日からハワイに10日間行ってきます、ALOHA!!!!」

といっても、みんながみんなバラバラに取るから、仕事の方は進まない。
営業に電話すると、技術がVACATIONでいないから分からない、と言われ、翌週に電話してみると、その営業がVACATION。

社会全体に、VACATIONじゃあしょうがないなあ〜、っていう雰囲気が完全に定着化しているのが、スゴイ。
我々の感覚だと、担当がいないならじゃあ変わりに誰がfollowするんや、って言う話になるのだけど、どんなにこちらが急いでも、担当はVACATIONでいないから待ってくれ、って言われる。そう言う輩にしたって、VACATIONでいないんだからしょうがないでしょ、何言ってるの、っていう態度をありありと出すのである。

日本じゃあ、夏期休暇だって会社で共通の休みがない限りはお互いに調整して重ならないようにするわけだし、大事な案件があれば休暇前の申し送りはしっかりする。休暇で不在中も、仕事が滞らぬよう、誰かがフォローする。分からなくてもフォローしている振りはする。

でも、アメリカも日本も同じように社会も仕事も回っていくんだなあ。
日本の、周りに気を使いながら取るみみっちい夏期休暇ってのも、こうして考えると儚いよなあ。

そうそう、うちの会社の秘書は、3週間のVACATIONをたくらんでいた。
仕事は契約、分業制が確立している米人スタッフは、他人の仕事なんて手伝うつもりはさっぱりないから、この秘書の業務は完全に滞る。
「3週間もあなたの仕事が完全にとまってしまうけど」と言ってみると、それに対して大真面目な顔で帰ってきた言葉は予想外であった。

「私がいない3週間は派遣社員を雇えばいいのよ。」   まいった!


かくいう私は、人のVACATION分析ばかりで、この夏は自分のVACATIONの予定がない。
まだアメリカに来て1年ちょっと。 こちらは気候もいいし、まだまだ毎日がVACATIONのようなものだからである。


Kyosuke