嗚呼!米国駐在員。
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2004年08月03日(火) |
職場内での“人種差別” |
先週の金曜日の事。 夜8時半ごろに帰ろうとしたら、経理の女性がまだ残っていた。
「Hey, It is time to GO HOME!!」と言うと、「ちょっと帰る状況にない。週末も出社しなくてはならないかも」(面倒なのでやっぱり日本語で書きます)と言う。 確かに月末は忙しいのだろうけど、どうも彼女の様子がおかしい。 色々聞くと、他のスタッフから仕事をあれこれと押し付けられており、時間がありそうなスタッフに対して簡単な用事を頼んでも「これは私の仕事じゃない」と全部断られるという。
そして、「私は人種が違うから差別を受けている。」と言う。
この経理の女性はフィリピン系。 仕事の正確度、熱心度、対応能力は、現地採用社員の中では文句なくピカイチである。 そして、能力があるがゆえに、ぺちゃくちゃとお喋りが大好きで仕事の手がとまってしまう周りのアメリカ人に対しては、あまりおもしろくない感情を抱くのは事実のようだ。過去にも何度か言い争いをしていた。彼女は責任感も強いため、仕事が中途半端でも毎日定時ぴったりに帰ってしまうスタッフのフォローなんかもやってしまう。これがいいのか悪いのか。結局は、アメリカ人スタッフもこれ幸い、とばかりに彼女に用事を頼んでしまっているようだ。
それにしても、これを「人種差別」と捉えるのにも驚いた。 自分が判断する限り、確かに怠けがちなスタッフは社内にいるけども、差別をするような人たちとは思えない。いってみれば、日本でもあたりまえに見られるような職場内の問題だとも思う。
ただ、他民族国家のアメリカである。 単なる職場の問題として片付けてしまう訳にはいかない場合もある。自分はスタッフを統括する立場でもないし、事が大きくなってはいけないので、取りあえずこの件は支店長に相談することにした。
個人的には一生懸命仕事をやっている彼女には肩入れしたい気持ちはあるのだが、彼女に批判されたアメリカ人の話も直接聞いてみないと分からない。
ちょっとした社内のトラブルが人種差別問題にまで発展して訴訟沙汰。 単一民族国家で育った日本人には、なかなか理解出来ない社会であるが、真の国際人を目指すには、こうした問題もしっかりと対処できねばならないと思う。
通常こんな不満を口にする彼女ではないが、ここまで話をしてくれた事には感謝をしたいし、何とかしてあげたいのが本音である。
Kyosuke
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