嗚呼!米国駐在員。
<目次>|戻る|進む
2004年05月23日(日) |
怒涛の中国出張 その4 ・ 拉致事件 |
面談2件を終え、ホテルに一旦戻ってきてテレビ(もちろんNHK衛星)をつけると、拉致被害者の方の記者会見が始まっていた。 久しぶりに顔を見たけど、顔つきというか外見や話し方が(いい意味で)変わったな、と感じる。画面では、皆さん暗い面持ちであり、一体どうしたのかとよく会見を聞くと、曽我さんのご家族3人だけは帰国されないという。蓮池さんと池村さんの家族5人は帰国、両家の家族からするとうれしくってしょうがないんだろうけど、やっぱり曽我さんの心中を慮ると複雑だろうな。曽我さんが毅然に振舞う姿を見ると、なんとも言葉がない。
今回、小泉総理が北朝鮮を訪問した事には敬意を感じるけども、北朝鮮には納得がいかない。普通は逆だろうが。何で人をさらった国にお願いしに行かないといけないのか、と文句はあるけども、あんな狂った国に普通の理屈は通じないからなあ。でも、わざわざ首相がでていって食料25万トン+@まで支援した割には、成果が少ないような。なんだか、北朝鮮の思うツボの気がして、やっぱり納得がいかない結果である。あの、北朝鮮のブタが、今回の結果を思わぬ報酬を得た、と思わなければいいのだが。なんだか味をしめそうで怖い。全くとんでもない奴である。
衛星第一ではメジャー中継。日本語の解説は違和感があるなあ。 それにしても解説者が、視聴者は全て松井のいるヤンキースファンと決め付けた放送はどんなものか。中継はヤンキースなのに、他の日本人選手の状況の速報を逐一報道する。日本にいたときにはこんな中継に見慣れていたはずなんだけど、改めて見るとせわしなくて落ち着かない。
今日で1週間以上がたったけど、やっぱり中国は熱い。 どの企業も英語が話せる人材は少ないので、英語が分かるだけでひっぱりだこという。日本と同じで読み書きは出来るけども、会話はさっぱりという中国人がかなり多いことに気がつく。アメリカでメールなんか送ると、実に見事な文章を送ってくるんだけど、会ってみると全く話せないというのは、なんだかとても違和感がある。映画でも何でも全て完全に吹き替えなので、英会話というものに触れる機会がほとんどないようだ。 また、色々聞くと、地方の企業がインターネットを通じて世界と取引をはじめて売上を拡大していくのが、中国の1つの成功ビジネスモデルでありドリームという。確かに立派な会社のホームページを作っている会社は多いけど、実際に会って会社を訪問してみると、ホームページとの落差に「えっ!?」というパターンも多いのだけど。ただ、若者はみんなギラギラしている。まあ、かなり大げさに話をする人が多いような国民性は否定できないのだけど、仕事は仕事と割り切って淡々としているアメリカ人に普段接していると、中国人の方がとても好感が持てる。
そうそう、貿易関係をやっている中国人の多く(とくに若い世代)は、英語のミドルネームがあるんだけど、会う前に、リチャード、とか、ロバート、とか、アンジェラとか聞いていて、実際に会うとそのイメージとの違いに驚いてしまい、ついつい笑ってしまいたくなる。でも、中国人の名前の発音は難しいから、英語の名前は覚えやすくていい。ちなみに、アメリカ人も中国人も、日本人の名前が一番覚えずらいし発音しずらくて評判悪いんだとか。
中国8日目。(5月22日土曜日) 台湾系の会社を訪問。一緒に昼食を。土曜日というのに、出社してくれたのは20代中旬くらいの女性。しっかりしており、びしっとスーツを着て上海のキャリアウーマンといった感じだ。昼飯の時に話を聞くと、2年前まで教師をやっていたという。公務員でやりたいようにやれなかったから、民間企業に移ったとか。 午後からはホテルで別の会社と面談。ここの担当も、3年前まで英語の先生だったとか。 若者がやりがいと金を求めて、臆せずにチャレンジしていくというのは、中国のひとつの構図か。
夜は上海現地法人社長と食事。さすがに中華はあきあきしてきたので、日本食をリクエスト。 工場運営の話を聞く。中国では毎年毎年1500万人の人が職を求める事になり、労働力は有り余ってしょうがないとか。月給8000円程度でいくらでも人材が集まる、賃上げを口にしようとしようものなら、いくらでも代わりはいるのですぐに辞めさせられるという。その結果、いわゆるホワイトカラーが実績給で経済上昇とともに給料が上がっていくのに対し、工場作業者の給料はほとんど変わらない。格差が広がっていく一方である。 ただ、やっぱり工場管理は雑なので、安い安いで飛びついて痛い目にあう例が未だにしょっちゅう起こるとか。
Kyosuke
|