嗚呼!米国駐在員。
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2004年04月08日(木) 商社の営業

現在午後9時。
朝を迎えたアジアに電話をかけまくった。アジアは忙しい。今、景気が良くてしょうがないようだ。
アメリカなどと新規取引したい状況じゃない、国内だけで手一杯、大忙し、どこもそんな事を言う。
アジア各国にはうちの会社の現地法人もあるのだが、こちらも忙しいようで満足に回答が来ない。よって、めぼしい取引先の電話を調べて必死にこちらからコンタクトをしているのである。

今朝もタイに駐在している後輩から、「いや〜、モノが売れて売れてしょうがないですよ。契約高もうなぎのぼり。こんなこといっちゃいけませんが、ノウハウもテクニックも要らない。ダボハゼ状態。今ならそこらへんの兄ちゃんでも、モノさえあれば営業できますよ。」なんて言ってた。

実にうらやましい。
正直うらやましい。
商社の営業は数字が命。それがどんなに自分の努力でなくても、単なる景気の波に乗っただけでも、売上げ数字が上がればそれで結構。ボタモチな契約でも、あればあるだけいい、それが現実、実態である。

数字は、どこに配属されてなんのアイテムを扱いどこの国に行くか。これだけで半分以上は決まる所がある。よって、芳しくない業界の部署に配属された人からの不満は多い。

でも、どこが恵まれているかどうかは分からない。
先のタイにしたって、数年前のバーツ暴落の通貨危機の時の駐在員は、えらい目にあった。多額の負債に不良在庫の山。会社からの厳しい叱責。これがあったから、今がある、と言える。

例えば、業績がいい場合、単なる景気の後押しだけなのか、それとも本人の努力が優れていたのか。多数の従業員がいる中で、1人1人に対してそんな冷静な判断をしてほしいのだが、現実問題は出来るはずがない。客観的な指標は、売上げ数字の伸び、どれだけ会社に利益を与えたか、それしかないのである。

数字が落ちたときに理由を報告するのだが、それはいい訳だろ、と言われりゃ、その通り。(まあそんな事しか言えないオッサンも大したことないんだろうが)でも、どんなにサボっていても、数字がついてこれば、何一つお咎めがない世界である。

商社の営業は、運が8割。 悲しいかな、それが実態なんだな。
運をどう引き寄せるか。これが勝負だけど、やっぱり努力しかない。(ああ、楽したい)


Kyosuke