嗚呼!米国駐在員。
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2004年03月30日(火) モノの価格が上がること

今日29日の朝刊で、目を引いた記事2件。
1つはヤンキース松井の写真。東京ドームで凱旋帰国、古巣の巨人相手にホームランで恩返ししたとの記事。いい所見せて、本人もたまらなかっただろう。
投げていた巨人のピッチャーが誰だったかも知りたかったのだが、当然そんなものは書いていなかったな。

2つめは、価格上昇の話。
シカゴ郊外のレストランは軒並みメニューの価格を上げる動きとなっているとして、22年ぶりの値上げをしたあるインドレストランの例を取り上げる。平均して15%ほどの値上げを実行したが、意外と客は気にしていないという。
これはひとつの例であって、特にテロ以降はあらゆる価格が下落してきたのだが、この数ヶ月はこの流れが反転して価格が上昇してきている。

最近では庶民の懐を刺激しているのはガソリン値上げだろうが、現在最も値上げ幅が大きいのはスクラップである。
北京オリンピックを控えた中国が折からの建設ラッシュで、かつてないほど大量の鉄鋼製品が必要となっている。このため、世界的に鉄資源が不足してきており、スクラップは昨年の倍以上の価格となっているようだ。建築関係はもちろん、そのほとんどが鉄である自動車の価格への影響は、中長期的に見れば必ずや出てくるであろう。 
値上げが数%の話であれば社内のコストダウンの範疇だろうが、100%も材料代が上がればいくら自動車メーカーとはいえ、製品に転化しないとやっていけないと思われるからである。
車を買う予定があるならば、値段が上がる前の今がチャンスかもしれない。

記事によれば、こうした値上げの動きを悲観視していないどころか、多くの企業は歓迎しているという。自分も全く同感である。幸いにも、昨今の値上げ環境にも関わらず、取引先企業及び顧客は、じゃあ買わない、と言うどころか、それでも欲しい、という志向らしい。
安けりゃいい、というデフレの時代に各企業はしのぎを削った。こうした動きは今後も残るだろう。 しかしながら、安さだけを求めることは、同時に今の世の中になんともいえない閉塞感がただよう原因にもなっているような気がする。インフレまではいかないにしても、金がより動くことで世の中が活性化すれば、それはそれでいい事だ。どの企業も適正な利潤を取れる環境になれば、申し分ないに決まっている。
 
もっとも、世の中の流れに沿って、給料の方もそれなりに上げてもらわないと困るのだが。


Kyosuke