嗚呼!米国駐在員。
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2004年01月24日(土) フライトキャンセルされたその後

22日は終日インディアナの片田舎で商談。
昨日(23日金曜日)は商談を済ませた後、OMAHAからCHICAGOに最終便で戻る予定だったが、CHICAGOが雪で着陸待ちのフライトが既に順番待ちであふれている、ということで離陸してもどうなるかわからぬ、と搭乗させてもらえない。 どうせ夕刻のフライトは毎回必ず遅れるので、またかUNITED!しょうがないな、と思いながら日本からの来客とビールを飲みながら待っていると、なんとキャンセルになってしまった。
翌日早朝のフライトを調べると、なんと8席しか空きがない。われわれは5人。

日本からの取引先の人2名は、翌日12時のフライトで帰国予定。なんとしても朝一番のフライトに乗らねば戻れない。あわててカウンターを見ると、キャンセルされた人たちでうんざりするような長蛇の列。絶望的な瞬間だったが、同行したうちの米国人スタッフが、「俺に任せろ、お前たちはバーでビールでも飲んでいてくれ」という。
こちらもすっかり何もやる気も起きず、お言葉に甘えて(といっても正直、何も期待していなかったが)彼に全てを任してまた日本人だけでビールを飲んでいた。
なかなか戻らないので気の毒に思い、気になってカウンターで列を見回しても彼の姿はない。しばらく探すと、なんと控え室のような所からそのスタッフが出てきた。チケット5枚を手に満面の笑みで。
見事に明朝1番のチケットが取れていた。

一体何をやったんだ、と聞いてみると、「カウンターはキャンセルされた人たちが、みんな怒りをぶつける。航空会社の人たちも自分が悪いわけではないのに、文句ばかり言われて面白いはずはない。だから俺はたまたま歩いてたunitedの人に、笑顔でHOW ARE YOU?と話しかけたんだ。彼女はそれに答えてくれた。ちょっと立ち話をしてから、実は日本からお客が来てるんだがフライトがキャンセルになって困っているんだ、明朝の便に乗れないと日本に戻れないんだ、と言うと、じゃあこちらにいらっしゃいよ、と言われて裏口にいくと、そこですんなりと予約手続きをしてくれたんだ。彼女はジャクソンビルに3歳と5歳の孫がいて、好きな食べ物はなんとかで・・・」
見事なものである。
でも本当にこんな事が許されていいのだろうか、と思うよりも、無事にチケットが取れたうれしさから全てを受け入れる気になってしまった。 それにしてもアメリカでうまくやっていくにはかなり時間がかかりそうだなと感じた。 日本でやっても多分うまくいかないだろうが、一度同じ手を試してみようか。まあお高そうな日系航空勤務者からは全く相手にもされそうもないな。

ちなみに、フライトキャンセルになったのは初めてのこと。
天候不順は誰のせいでもないと分かっていながらも、ホテル代くらいどうにかして欲しいよな。今回は出張で会社のお金だからいいのだけども。


Kyosuke