+++ Rip Stick +++

2002年11月06日(水) まるで図ったかの様に




あたしが、彼への気持ちを断ち切ろうと
そう思った瞬間に
まるで図ったかの様に彼の優しい言葉が降りてくる。



仕事が終って程なくしたら、久し振りだけれど
指が覚えてしまっている番号の通知。







動揺した心を見透かされ無いように
落ち着いたトーンの声を出す。

『お前さ、来週休みあるの?』






ナニ?






彼が電話してくる時は、大概お金の件だった。
此処数ヶ月は。


「あるけど。何で?」







『あのさ……話があるんだ』








ア。キタ。

そう思った。

あたしは彼の金の虫か?

「なに?」

思いっきり不機嫌に答えた。





『ってゆーと嫌な話だと思うだろ?』

「違うの?」

『お前が、そう反応するだろうなって思っていって見ただけ』

「ムカツク」

『あのさ、久し振りに顔みたいなって思って』




ナンデスト?







分かれた気でいたのはあたしだけだったのか

単に利用されてるのか

単にずるずるいってるだけなのか





判らなくなって来たよ。


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