本日から大学選手権開幕。
この日、一番印象に残ったのは上武大の6番ライト目黒聡(右投/左打)。東海大相模出身の2年生だ。 4打席すべてで出塁し、先頭打者で迎えた9回裏にはファウルで粘ったあとの8球目をセンターに弾き返し、サヨナラ勝ちのきっかけを作った(上武大3対2龍谷大)。次打者のワイルドピッチのときには、50メートル5秒8の俊足を生かし、一塁から一気に三塁へ。キャッチャーがボールを後ろに逸らした瞬間から、「三塁にいける!」と決めた走塁は見事。二塁ベースを回るときに三塁コーチャーを全く見ず、自分の判断で狙ったのが素晴らしい! 今日の打撃成績は、ショートエラー、四球、四球、センター前ヒット。 じつは、この4打席で合わせて29球ものボールをピッチャーに投げさせている。空振りしたのは、4打席目にセーフティーバントを試みたときだけだ。あとは追い込まれても、バットを短く持ち、ストレートだろうが、フォークだろうが、がむしゃらに食らいつき、ファウル、ファウルで投手を心理的に追い詰めていく。簡単にアウトにならない男だ。
試合後、目黒は「初めての神宮で最初は緊張したけど、自分の仕事を果たすことができました」と満足そうな表情。「自分の仕事は何?」と聞くと、「どんな形でもいいので出塁して、後ろに繋ぐことです」。今日の目黒は、まさにその言葉どおりのプレーを見せていた。
大会プログラムを見ると、「身長165センチ」と書かれているが、グラウンドではもっと小さく見える。身長を聞いてみると、「163センチぐらい。いや、164センチ、5センチ…」と独り言のように呟いていた。たぶん、ほんとは163センチのはずだ(笑)。 体が小さくて、足が速くて、外野で…となれば、パッと思い浮かぶのが阪神の赤星。本人も「赤星選手のようなプレースタイルが目標」と口にする。いきなり、プロ云々の選手ではないけれど、スタンドから見ていて、がむしゃらさが伝わってくる、気持ちのいい選手である。
なお、東海大相模時代は主に2番センターでスタメン出場。最後の夏は3回戦で、平塚学園に延長戦の末、惜敗している。当時のエースは堀内久大、1番を打っていたのが岩崎恭平。ともに東海大へ進み、岩崎は大学選手権でベンチ入りを果たしている。 東海大相模といえば、進路先として東海大や国際武道大のイメージが強いが…。なぜ、目黒は上武大へ? そんなことを尋ねると、「ほかの大学に進んで、東海大とか強い大学を倒したいからです」。 明日対戦する国際武道大には東海大相模の先輩もいる。どのような戦いになるか、非常に楽しみだ。
第1試合に登場した東北学院大。プロ注目の岸のあとに出てきた、2番手の長谷川貴志の投球フォームに一目惚れ! 山田久志かと思うようなアンダースローだった。といっても、長谷川は地面スレスレというほど、低い出所ではないが。グラブを頭の後ろで振りかぶる動作、左足を上げて、下ろして、テイクバックに入る動作…、それが山田久志とよく似ていた。 もっと見てみたいピッチャーだったが、対左打者、ランナーが出てからの投球に課題を残し、痛恨の逆転負け…。
アンダースローやサイドスローを見ると、いつも「いつからアンダー? いつからサイド?」と知りたくなります。で、「どうしてアンダーにしたの?」と。「監督に言われたから」がほとんど。そして、転向するのは高校時代が多いように思う。 が、最近は少年野球でも渡辺俊介の影響かアンダースローが多いとのウワサ。中学野球でもたまにいるが。小さい頃から、アンダースローやサイドスローにすると、「体のバランスが悪くなる」と国学院大の竹田監督が話していたが……?!
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