2005年09月27日(火) |
藤枝明誠の6ヵ年計画 |
静岡の藤枝市にある藤枝明誠高校に行ってきました。
聞きなれない学校だと思いますが、勉強、スポーツともに近年上昇中の学校です。勉強のほうでは6大学や国立当たり前。一昨年、昨年と2年続けて東大合格者が出たそうです。運動部は駅伝が強く、冬の都大路の高校駅伝常連校。あとは囲碁も強いとか。
野球部はというと、なかなか勝てません…。夏の大会も1つ勝てばいいほうでして。しかし、そんな野球部をどうにかしようと、3年前から改革に乗り出しました。それは、中等部を作り、6カ年計画の体制を敷くこと。選手を高校3年間ではなく、中学〜高校の6年間で育てていこうというものでした。 と、ここまではどこかにある話。ちょっと違うのは、藤枝明誠は中等部に硬式野球部を作り、シニア登録してしまったことです。早いうちから、硬式ボールに親しませて、高校野球への対応を早くしようという狙いがあるようです(まぁ、正直、軟式でもいいんじゃないのかな…と思いますが)。 その硬式野球部・藤枝明誠シニアの初代監督に就任したのが、国士舘高校の永田監督のお兄さんである永田弘光さん。明誠に来るまでは、静岡・静清工で19年間監督を務めており、夏の県大会で二度準優勝の実績を持っています。 というのが、3年前の2003年の話。 つまり、来年2006年4月から、藤枝明誠シニアの1期生が高校に入部してくるというわけです。永田監督も今年の8月下旬から、高校の監督に就任し、シニアの教え子たちの入部を、今か今かと待ちわびていました。
シニアは決して強くはないのですが、今年の中3のエース鶴田くんは左腕で180センチ。日本代表として、米国遠征も経験したようで、来年早い時期に高校デビューがあるかもしれません。 キャッチボールを見ましたが、確かに腕の振りのしなやかさは素晴らしかったです。中学生らしく(?)、体はヒョロヒョロでしたが。
シニアを作っただけでなく、高校のほうも今までほとんどやっていなかった有望中学生の獲得に対して、徐々に本腰を入れ始めているようです。寮もあるので、県外から獲ることも可能とのこと。もちろん、入るにはそれなりの頭が必要ですが。
さて、中高一貫校で、中学が硬式をやっている学校はどれぐらいあるのでしょうか。 永田監督によれば「日本で初めて」の学校が、東京タワーの近くにある芝中学校・高校。こちらの中学校は芝シニアとして、シニアリーグに参加しています。で、これまた永田監督によれば、3年前にできた藤枝明誠シニアが日本で2番目。そして、いまは青森山田中学校、神村学園中学校もそれぞれ硬式野球部を持ち、シニアへ加盟。ボーイズでは福井高校の付属中学である福井中学校が、福井中学ボーイズとしてボーイズリーグの大会に参加しているようです。 中高一貫校が増えている時代の流れから考えると、中学に硬式野球部を持つ学校がこれから増えるかもしれませんね。
そうそう、今回の取材で初めて知ったことは、新しいシニアのチームを作るときは、近隣2チームの承諾がないと、結成は認められない、ということ。藤枝明誠中もシニアを作るにあたって、焼津シニアと、もうひとつのシニアから(名前忘れました)、「シニアを作ることを認めます」というハンコをもらったそうです。 勝手に作っちゃいけないんですねぇ…。確かにシニアが近い地域に密集してしまうと、選手の獲り合いが発生し、結局はすべて共倒れ、なんて可能性もあるかもしれませんしね。
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