2005年09月03日(土) |
竹林、ボーク、体幹、入場行進 |
土日、岡山に行ってきました。
土曜日の夜は、ひょんなことから、東亜大・竹林俊行投手らと岡山駅で飲むことに。竹林と会うのは今年の春、下関球場で取材して以来のこと。この日は秋季リーグ戦開幕日で、完投勝ちを収めたそうです。 取材したときは、そんなに思わなかったが、並んで歩いているとデカイ! 何とこの歳になって、身長が「2センチ伸びた」と言っていた。恐るべし。
竹林に一番聞きたかったのはボークのこと。 じつは、先日内出中に「牽制」を取材しにいった際、武内先生が、「高校に行った竹澤(現東海大相模)が、軸足から動く一塁牽制はボークをとられる、と言っていた」と。
説明すると、<右投手がプレートを外さずに投げる一塁牽制の場合>、軸足から始動したと審判に判断されると、ボークを宣告される。竹澤は内出中時代、「軸足始動」で投げていたそうだが、高校に入り、試合で連続ボークを取られたそうだ。 武内先生によれば、「前足(左足)が動いてから、軸足を動かさないといけない」。 ならばと、「前足と軸足が同時に動いたらOKですか?」と聞くと、「どうだろう…」と。
自分の単なる知識不足ではあるが、<プレートを外さない一塁牽制>は軸足の回転をきっかけに一塁へ投げるものだと思っていた。中学校の指導者でも、「軸足の回転で投げる」と教えている方が多い。だから、なおさら、「軸足始動」と思っていたのだが…。中学野球ではボークをとられないのだろうか?!
このことを竹林に確認すると、「軸足から動いたのがばれたら、ボークです」と。しかし、そういいながらも、「軸足から動かないと、速い牽制はできない。いかに素早く、回転できるかです」 このあたりは、審判との騙しあい(?)になってくるのだろう。
さて、竹林といろいろ話す中で興味深かったのは「首」について。 春のリーグ戦中に、首が痛くなり、それがきっかけでレントゲン写真を撮ったそうだ。その際、竹林は気づいたという。 「体幹は、腹筋や背筋と言われるけど、じつは大事なのは首」
これを聞いて、慶応義塾野球部のウエイトトレーニングを見たときに、トレーニングを担当する宮畑会長が「首を鍛えることが大事」と仰っていたことを思い出した。 それを、レントゲンを見て、自分で気づくなんて、このあたりが竹林のすごいところ。話をしている中で、「●●をやっていくうちに、これに気づいた」とか、「●●をやってみたけど、ちょっと失敗でしたね」など、<試した><気づいた>という言葉がよく出てくるのだ。
で、首を意識するようになってから、ピッチングフォームも安定し出したという。 「首を鍛えるにはどうしたらいい」というと、まずは「姿勢」とのこと。竹林はやや猫背だそうで、それを直すために日ごろから姿勢に気をつける。この日飲んでいるときも、背筋がピンと張った姿勢をしていた。 「姿勢を意識すれば、首にも力が入って、自然と鍛えられる。それに姿勢を保とうとすれば、腹筋にも背筋にも力が必要なんです」 さらに、こう付け加えた。 「あとは腹筋。いままで腹筋をやるときは、首を曲げていた(おへそを見る感じ)。それを、いまは曲げないようにしました(上空を見るイメージ)」 試してみると分かるが、首を真っ直ぐに保ったまま腹筋をやると、これは結構キツイ。首に力が入っていることが分かる。つまり、鍛えられている、ということだ。 と、まぁ、このような興味深い話をいろいろとしてくれた。 ありがとうございました。 神宮で待っています!
で、書きながら、体幹の話で思い出したことがひとつ。 先日、しらかし台中の猿橋先生と電話をしていたとき、「最近、いい練習見つけた!」と一言。聞いてみると、「入場行進の練習はいいねぇ」とのこと。 説明を聞くと、「入場行進の練習は、体幹を鍛えるのにいい。腹筋、背筋に力がなければ、足があがらない」。 30分以上、ひたすら入場行進をやる、と言っていた。 太ももの高さはベルトまで、そして手の振り上げは肩のラインまで。確かにこの姿勢で入場行進を30分も続けたらツライ!
さらに、部員全員で「足を揃えてやる」という課題も与えれば、チームの心がひとつになること間違いなし(?)。いや、「お前、足揃えろよ!」と疲れてきた頃には、罵声が飛び交い、雰囲気が悪くなったりして…。
という話を聞いていて思ったのは、「北朝鮮の入場行進はすごい!」と。あの一糸乱れぬ行進は一体どうやって作り上げていったのだろうか。相当、体幹が強くないと絶対ムリ!
そんなこんなで、火曜日は仙台に行ってきます。
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