2005年01月29日(土) |
年間試合成績から見る全中 |
横浜市中央図書館で行われた平成16年度神奈川県指導者研修会に参加してきました。「チーム作りのポイント」というテーマで、講師は全日本準優勝の生麦中・新庄広先生と、2年連続全中出場を果たした内出中・武内信治先生。 1時間半ほどの研修会の中で、一番興味を持ったのが武内先生が話をした「試合の年間成績」について(なお、新庄先生は2月10日発売の『野球小僧中学野球特別号』で登場します!)。 「内出中に赴任して、はじめて関東大会を見に行ったとき、大会プログラムの成績を見てびっくりした。どのチームも7敗とか12敗とか負け数が少ない」 そのとき、周りにいた先生方と話す中で、「10敗したら全国には行けないんじゃないか」という話になったそうだ。もちろん、これは練習試合も含めての話。 そこで、98年以降の内出中の成績はというと…、 (*試合数は引き分けを含んだもの)
98 99試合 73勝23敗 .760 99 101試合 61勝31敗 .663 00 101試合 65勝28敗 .699 01 115試合 97勝11敗 .898 02 118試合 77勝31敗 .713 03 141試合 99勝30敗 .767 04 137試合 91勝32敗 .740
まず何よりも、03年と04年の試合数の多さにびっくりするが…。偶然なのか必然なのか、試合数が増えた03年に全中第3位、04年にも全中に出場している。見て分かるとおり、ともに30敗台。武内先生は「数多くの練習試合をやっていく中で学ぶことが多い。10敗したら全国へ行けない、は神話じゃないかな」と話していた。しかし、01年の勝率.898というのも脅威!
じゃあ、一体、全中の出てくるようなチームの成績はどんなものなのか。データのある3年分で調べてみました(*9割以上が黒字)
<2004年> 釧路市立幣舞中 (北海道) 69試合 53勝 9敗 7分 .855 青森市立西中 (青森) 39試合 27勝10敗 2分 .730 長井市立長井北中 (山形) 39試合 29勝 8敗 2分 .784 春日部市立東中 (埼玉) 110試合 96勝 7敗 7分 .932 習志野市立第二中 (千葉) 94試合 72勝14敗 8分 .837 相模原市立内出中 (神奈川)135試合 90勝31敗14分 .744 黒部市立桜井中 (富山) 80試合 68勝 9敗 3分 .883 刈谷市立刈谷東中 (愛知) 130試合113勝13敗 4分 .897 多治見市立南ヶ丘中(岐阜) 72試合 52勝13敗 6分 .788 和歌山市立東中 (和歌山) 64試合 52勝 9敗 3分 .852 彦根市立東中 (滋賀) 138試合 95勝27敗16分 .779 熊山市立磐梨中 (岡山) 96試合 78勝14敗 4分 .848 飯山町立飯山中 (香川) 96試合 64勝25敗 7分 .719 中城村立中城中 (沖縄) データ記載なし 佐賀市立城南中 (佐賀) 109試合 97勝 6敗 6分 .942 鉾田町立鉾田南中 (茨城) 90試合 80勝10敗 .889 優勝:習志野二中 準優勝:桜井中 ベスト4:中城中、鉾田南中
<2003年> 白老町立白老中 (北海道) 48試合 39勝 4敗 5分 .907 能代市立能代東中 (秋田) 31試合 23勝 5敗 3分 .821 いわき市立江名中 (福島) 61試合 34勝21敗 6分 .607 越谷市立千間台中 (埼玉) 87試合 72勝 8敗 7分 .900 相模原市立内出中 (神奈川)138試合 97勝29敗12分 .770 修徳学園中 (東京)134試合118勝 5敗11分 .960 茅野市立北部中 (長野)117試合100勝15敗 2分 .870 東海大付属翔洋中 (静岡) 90試合 60勝30敗 .667 四日市立羽津中 (三重) 60試合 50勝 7敗 3分 .877 和歌山市立紀之川中(和歌山) 65試合 45勝12敗 8分 .789 田辺市立高雄中 (和歌山)102試合 98勝 4敗 .961 周南市立周陽中 (山口) 69試合 49勝15敗 5分 .766 明徳義塾中 (高知)119試合108勝 6敗 5分 .947 水巻町立水巻中 (福岡)104試合 89勝12敗 3分 .881 西彼町立西彼中 (長崎) 43試合 31勝10敗 2分 .756 岩見沢市立緑中 (北海道) 56試合 41勝11敗 4分 .788 優勝:明徳義塾中 準優勝:修徳学園中 ベスト4:周陽中、内出中
<2002年> 帯広市立西陵中 (北海道) 38試合 30勝 6敗 2分 .833 天童市立第三中 (山形) 71試合 47勝17敗 7分 .734 河北町立河北中 (山形) 54試合 32勝14敗 8分 .696 相模原市立上溝中 (神奈川)120試合 90勝30敗 0分 .750 修徳学園中 (東京) 110試合 96勝 9敗 5分 .914 袖ヶ浦市立蔵波中 (千葉) 110試合 86勝15敗 9分 .851 十日町市立十日町中(新潟) 154試合108勝32敗14分 .771 玉城町立玉城中 (三重) 92試合 72勝13敗 7分 .847 白山町立白山中 (三重) 117試合 95勝17敗 5分 .848 三田学園中 (兵庫) 61試合 42勝13敗 6分 .764 田辺市立高雄中 (和歌山) 72試合 67勝 5敗 0分 .931 玉野市立宇野中 (岡山) 140試合132勝 6敗 2分 .957 明徳義塾中 (高知) 89試合 77勝 7敗 5分 .917 佐敷町立佐敷中 (沖縄) 87試合 71勝10敗 6分 .877 出水市立出水中 (鹿児島) 79試合 62勝13敗 4分 .827 安堵町立安堵中 (奈良) 84試合 63勝12敗 9分 .840 優勝:宇野中 準優勝:玉城中 ベスト4:修徳学園中、河北中
どうでしょうか? まず何より試合数の多さにびっくりします。とくに2002年の十日町中の154試合はすごすぎます。雪国なのに…。さすが夏井先生! ちなみ過去3年ともに、勝率8割以上のチームが決勝に残っています。やはり地力のあるチームが最終的には勝ち残っているということでしょうか。でも、各大会に必ず勝率9割以上のチームがありますが、これってすごいことですよね。とくに2002年に優勝した宇野中の132勝6敗って…。 データを調べて、改めて感じたことは東北・北海道は本州のおよそ半分以下の試合数ということ。先日、白老中の取材に行った際、井内先生が「11月頃から3月下旬までは試合ができない」と話していたが、この試合数を見て、その言葉を思い出した。神奈川は下手すると、クリスマスの頃まで試合をして、2月はじめにはもう練習試合を開始している。なお、白老中の取材レポートも、2月10日発売の野球小僧に掲載されています!
勝率を平均してみると、どのぐらいになるのでしょうか。おそらく、8割前後か?! もっと調べてみたいので、もし過去の全中のプログラムを持っている方がいましたら…、ぜひ貸して頂ければと思います。よろしくお願いします!
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