10月23日から2日間、新潟県糸魚川市で第11回中学校軟式野球糸魚川選手権大会が開催された。
初日に参加12チームを4ブロックに分けて、予選リーグ。2日目にブロック1位チームによる決勝トーナメントが行われた。 今大会の参加チームは以下の通り。
富士見村立富士見中(群馬) 多治見市立南ヶ丘中(岐阜) 福井市立藤島中(福井) 金沢市立額中(石川) 津幡町立津幡南中(石川) 中野市立南宮中(長野) 魚津市立西部中(富山) 入善町立入善中(富山) 新津市立金津中(新潟) 能生町立能生中(新潟) 糸魚川市立糸魚川中(新潟) 糸魚川市立糸魚川東中(新潟)
結果から先に書くと、優勝:魚津西部中、準優勝:津幡南中、第3位:糸魚川東中、糸魚川中。 魚津西部中はセーフティーバントとセーフティーエンドランを頻繁に使い、相手をかき回していた。1死二塁では必ずといっていいほど、セーフティーバント。神奈川の野球を見慣れた者としては、かなりのカルチャーショックだった。神奈川にもそういうチームがないわけではないが。流れとしては、ガンガン打つ野球に変わりつつある。
ワタシが現役時代(今から10年ちょっと前)は、セーフティーバントが主流だった。ちょこまかちょこまか動き、相手のミスを誘う。その時代は、軟式野球はヒットは出ないもの、出にくいものとして考えられており、スコアはだいたい1−0か2−1。1試合に出るヒットなんて、だいたい2本くらいだったのでは。
でも、いまはビヨンドマックスやH−Zoneなど、各メーカーが飛ぶバットに力を入れてきたことに加え、指導者の方々がバッティングはセンスではなく、指導すれば打てるものと考え方が変わり、バッティングに時間と情熱を注ぐようになった。
こういった複数の地区から集まる大会を見ると、それぞれの地区の野球が見られて非常に面白い。外野の守備位置、そして内野の守備位置(特にショート、セカンド)が地区によって違う。金沢の額中は、外野が硬式の定位置なみに守っていた。それは裏を返せば、石川ではガンガン打ってきて、外野の頭を越えるようなバッティング力を持つチームが多いということだと思う。額中の考え方としても、「外野の前に落ちるヒットはOK。長打は許すな」と。 大会プログラムには額中のチーム紹介として、村上賢正先生がこんな言葉を書いていた。 「1死1、3塁でセカンドフォースアウトの考え方が中学野球でも必要ではないか」 つまり、1点あげて、2死一塁でOKという考え方。今までは、1点の重みがズシンとくる中学野球の場合、有無を言わさずバックホーム。が、これが野選となり、1点入って、なおも1死1、2塁というケースが案外多いのも中学野球だ。それならば、1点はOKなので、次の2点目を防ごうと。
額中は昨夏石川県大会準優勝、今夏もベスト4にまで進んでいる。スコアを見ると、2〜3点は失うが、5〜6点を取るという、今までの中学野球にはない野球。 「取られたら取り返せばいいという気持が私にも子どもたちにもある」と村上先生。このような話を聞いて、中学野球は変わってきたのだなと改めて感じた糸魚川選手権だった。 地震は大丈夫でした。心配して、メールや電話を下さった方、ご心配お掛けしました。
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