本日は神奈川大・荻野忠寛投手(4年・桜美林)の取材で神奈川大の野球部グラウンドへ。神奈川大は昨秋の神奈川リーグを8季ぶりに制し、神宮大会に出場。決勝で東亜大にサヨナラ負けし、神奈川連盟代表として初の全国制覇は叶わなかったが、「神大野球部」を大きくアピールした。
荻野は秋季リーグ戦でMVPを獲得。神宮大会でも3試合すべてに登板した。驚くようなスピードはないが、手元で微妙に揺れるストレートを武器に、これまで大学通算23勝を挙げている。 その荻野の投球論はかなり面白かった。正直、ここまで頭脳派投手だとは思っていなかったので尚更だ。 荻野は「タイミングと角度をもっとも重視している」と話していた。「自分は150キロを投げられる投手ではないので、色んなところで工夫しない勝つことができない」。ストレートは「縫い目のヤマの向きを考えて投げている」そうだ。
工夫は小学校の頃からすでに始まっていた。「自分の原点は小さい頃からのカベ当てにある」とキッパリ。小学校低学年で野球を始めてから、ほぼ毎日カベ当てをしていた。高学年の頃には、カベ当てからサッカーゴールのポスト当てに。そして、軟式のクラブチームに所属していた中学時代は「バスケットゴールのポールに当てていた」と話す。クラブの練習がない平日は、朝学校に行く前にポール当てを行い、学校から帰ってきてもひたすらポール当て。 どのくらいの距離でやっていたの? と訊くと、「バッテリーの距離」と返事。それはすごい! 特にバスケのポールは円柱なので、ちょっとでも当たるところがズレると、真っ直ぐ返ってこない。「今でも覚えてますけど、7球連続でポールに当てたことがあるんですよ!」と荻野。
小さい頃、誰もがカベ当ては経験していると思うが(もちろんワタシも)、それがポスト当てになり、最後はポール当てに発展していった子供は数えるほどだろう…。荻野は誰かに言われるでもなく、ひとり黙々とこなしていたそうだ。こういった工夫・努力(←本人は努力と思ってないはず)の積み重ねが、いまの荻野を作っているのは間違いなさそうだ。
今春の神奈川リーグは4月3日に開幕。荻野だけでなく、池田裕行(小山西ー関東学院大)、渡辺翔太(横浜隼人ー横浜商大)、渡邉裕文(岐阜北ー横浜国大)、岡村貴史(宇都宮南ー神奈川工大)と各校の4年生エースが注目を集める。ぜひぜひ、球場に足を運びましょう〜!
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