みのるの「野球日記」
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2003年10月28日(火) 首都大学 城西大vs東海大 3回戦 (2)

 先攻は東海。初回、先頭の村山がカウント2−3から内角ストレートを見極め、四球で出塁。村山は東海大相模出身で、言わずと知れた2000年センバツ優勝メンバー。この日の東海のスタメンには、セカンド村山のほかに、キャッチャー菊池、ショート瀬戸と優勝メンバーが3人名を連ねていた(途中から楢原がファーストで出場)。
 大学に入ってからも、これだけの活躍を見せているのを考えると、当時の東海大相模は相当レベルが高かったのだと改めて感じる。なお、村山と瀬戸はともに秦野シニアの出身(東海大相模から巨人へ入団した原俊介と同じ)。小学校から大学まで、ずっと同じチームで野球をやってきた。しかも、お互いずっとレギュラー。それがまたすごい。

 村山が出塁したあと、瀬戸は「バント職人」らしく送りバントをきっちりと決める。瀬戸は高校時代から、バントと守備に関してはトップレベル。あとは「打」だけ……。1死二塁で打席には3番落合。名前がいい(笑)。こちらの落合は左打ちだが、構えだけは本家落合のようにオープンスタンスで構え、バットを顔の辺りで構える。なかなか個性的な構えである。いかにも広角へ打てそうな「安打製造機」の雰囲気が漂う。サウスポーの中山は、落合の外角へスライダーを集めてきた。初球外角へスライダー、二球目も同じような球。落合はうまく拾い三遊間へ流したが、ショートゴロとなった。中山のスライダー、なかなかのキレ。打者の手元まで来て、鋭く滑るため、左打者が捉えるのはかなりやっかいそう。
 二死二塁となり、4番大松(左打ち)。こちらは落合とは違い、大物打ちタイプ。「メンタルが弱点なんですよ」と筑川が話していたが、今後の課題はそこか。その大松に対し、中山はストレートとスライダーで攻め、カウント2−2。スライダーを投げれば仕留められると思ったが、勝負球は外角ストレート。大松がうまく流し打ち、レフト前タイムリー。東海が貴重な先制点を奪った。「先制点とったら強いですよ」(筑川)。東海が試合の主導権を握った。

 東海先発・中嵜の立ち上がり。先頭の山口にレフト前ヒットを打たれるなど、いきなり1死一、二塁のピンチ。「中嵜ってもっと豪快なピッチャーじゃなかったっけ…」と思いながら見ていた。すべてのバッターに外角中心の配球。そのほとんどが120km台のチェンジアップ(おそらく)。ストレートも、城西大スコアラー陣のガンを覗き込むと、140kmに届いていない。
 ピンチで4番左打ちの市川竜。市川に対しても外角中心。というか外角一辺倒。考えるに、中嵜得意のチェンジアップが、外へシュートしながら落ちる。ストレートもすべてシュート回転。意識してムービングさせているのかと思うほど、激しくシュート回転。この2つが外角にきっちり決まれば、左バッターは相当打ちにくいはず。案の定、ともに左打ちの4番、5番を外角のストレートとチェンジアップで抑え、初回のピンチを凌いだ。

 2回表、1死から川端が二塁打で出塁。川端は東海大望洋時代から注目された打者で、今年が3年生。秋になり結果を残し、出場機会が増えている。チャンスで迎えるのは、野呂監督お目当ての桐光学園出身・石井。いままでプログラムを見ながらのんびり観戦していた野呂監督が、真剣な目でグラウンドを見る。初球、外角ストレートで1ボール。二球目、外角カーブを見逃し1−1。3球目外角スライダーにタイミング合わず、空振り。次ぐ4球目も同じようなコースのスライダーを空振りし三振。カーブとスライダーで徹底して攻められた。打つとしたらストレートか、甘いカーブ……という印象を受けた第一打席だった。

 東海、1−0リードで迎えた3回裏。城西が先頭山口の四球を足掛かりに、1死一、三塁のチャンスを作る。迎えるは4番市川。第1打席は外角を徹底して攻め、最後はストレートで見逃し三振に打ち取っている。この打席も外角オンリー。初球、外角ストレートがボール。2球目、外に沈むチェンジアップ。平凡なショートゴロとなり、瀬戸が難なく捌き6−6−3のゲッツー。徹底した外角攻めがこれまた功を奏した。

 4回表、再び迎えた石井の打席。ネクストでのスイングを見て、「スイング軌道が変わったなぁ」と野呂監督。石井、天野らが東海大入学後、試合を見たのは今日が初めてということ。週末は自分のチームの指導があり、平日は学校。当然といえば当然のこと。
 この打席も外角変化球で攻められる。外角ストレートでカウント1−1となったあと、石井にとって今日初めて甘いカーブがきたがミスショット(ファウル)。追い込まれたあと、「ここで外角スライダーかな」と思っていたら案の定……。最後は1打席目と同じ球で空振り三振となった(石井は6回裏の第3打席では、カーブで攻められ、ファーストフライ。ここで守備のうまい楢原と交代となった)。

 1−0から得点を奪ったのは、5回表の東海。先頭の村山が出塁し、瀬戸が送りバント。初回と同じような形で1死二塁のチャンスを作ると、ここまで2打席凡退の4割バッター落合が結果を出した。高めストレート、外角カーブが外れたカウント0−2から、真ん中高めのストレートをコンパクトに振りぬくと、センター頭上をライナーで超えていくタイムリー二塁打。さすが、といった当たりだった。

 2回戦に次ぐ連投となった中嵜は疲れを見せるどころか、中盤から調子が上がってきたように見えた。相変わらず外角中心の配球だが、その外角へのコントロールが安定。そんな中、ピンチを迎えたのは7回裏。2死後、9番若林、1番山口に連打を食らい、2死二、三塁。山口(右投左打。ポジションはショート)は生光学園出身の2年生だが、今日は3打数3安打。2回戦も3本のヒットを打っており、2試合で6安打の固め打ち。この秋は全試合1番でスタメン出場しており、走攻守三拍子揃った選手という印象を持った。
 ピンチで迎えるは2番市川正。初球、外角を狙ったストレートが、この日初めてというくらい真ん中高めへの失投に。市川はそれを見逃さず、レフトへ痛烈なライナーを放つ。城西ベンチ、応援スタンドが沸いたが、城西にとっては不運にもレフト落合の守備範囲に。同点に追いつく最大のチャンスを逃した。

 結局、中嵜は8回9回を危なげなく抑え、秋季初の完封勝利(被安打6)。前回の日記で、「東海大にまだ完封勝利がない」と書いたが、この大一番でエース中嵜が大仕事をやってのけた。2回戦3回戦と18イニングを投げ、失点わずかに1。エースの活躍で、東海大は城西大と並び同率の首位。何とかプレーオフへ持ち込んだ。
 敗れた城西大は、クリーンアップの不振が響いた。藤田、市川竜、米山の主軸が、10打数無安打。「いまはクリーンアップより、1番の山口と下位打線の方が怖いです」とは筑川の言葉だ。

 プレーオフは10月30日、相模原球場で13時試合開始。東海大の先発はほぼ間違いなく中嵜でしょう。城西大は…、中山でしょうか。この日打たれたヒットは7本だが、スライダーを捉えられたのはゼロ。もう一度、中山vs落合・大松が見てみたいもの。でも、個人的には超インステップのサイドスロー小沢太一、西武・大島裕行と同期の埼玉栄出身・久嶋も見てみたい。東海大は菅生出身の磯貝も見てみたいんだけど…。
 

◇首都大学秋季リーグ(相模原球場)
東海 100 010 000 2
城西 000 000 000 0

<東海大スタメン> *打率は今季通算
(二) 村山 (3年・東海大相模) 3−2 .282 6打点 2本
(遊) 瀬戸 (3年・東海大相模) 2−0 .262 4打点
(左) 落合 (3年・報徳学園)  5−2  .457 6打点
(中) 大松 (3年・金沢)     3−1  .326 10打点 3本
(三) 中村 (2年・PL学園)   4−0  .280 11打点 
(右) 長谷川(4年・学法石川)  4−0 .130 1打点
(指) 川端 (3年・東海大望洋) 4−2 .357 1打点
(一) 石井 (2年・桐光学園)   3−0 .243 5打点 1本
 一  楢原 (3年・東海大相模) 1−0 .000
(捕) 菊池 (3年・東海大相模) 2−0 .222 4打点

○中嵜(4年・南部) 9回 6安 0責 6試合4勝0敗 1.66

<城西大スタメン>
(遊) 山口(2年・生光学園) 3−3 .326 1打点
(二) 市川正(3年・滑川)   3−1 .325 4打点
(中) 藤田(4年・金沢)    3−0 .283 8打点
 中  平原(3年・松山商)  0−0 .500
(左) 市川竜(4年・前橋西) 4−0 .286 5打点 1本
(右) 米山(3年・新潟江南) 3−0 .225 6打点
(捕) 井川(4年・土浦日大) 4−1 .293 6打点
(指) 天草(4年・隠岐)    2−0 .125 1打点
打指 安藤(3年・埼玉栄)   1−0 .091 
(一) 遠藤(3年・関西)    2−0 .333 9打点 1本
 打  早野(2年・浦和学院) 1−0 .143 1打点 1本
(三) 若林(4年・児玉)    4−1 .342 10打点

●中山(4年・桐生南) 9回 7安 2責 9試合2勝1敗 1.56
 


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